菩薩

カルテットの菩薩のレビュー・感想・評価

カルテット(2017年製作のドラマ)
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あの大皿に堂々と置かれた唐揚げの様な人生、唐揚げは毎日点滴したいくらいに好きだが自分が唐揚げになれないことくらいは知っている。所詮はあのパセリと同じであるが、ならばそのパセリとしての人生を堂々と全うしてやろうではないか。人の秘密を知るのも人に秘密を知られるのも本当に嫌だ、それ以上に誰かから何かを奪い、誰かから何かを奪われる様な人生はもうまっぴらだ。一人でいるのは寂しく、二人でいればすれ違い、三人でいるとどうもバランスが悪く、四人でいると何故かしっくりくる、美しく一巡する矢はやがて抱擁に変わる。後ろ指を指し続ける者はやがてその指が折れるであろう、悪評を撒き散らす者はいつかその喉から血が出るだろう、ゴミを投げつける者はある日突然肩が外れるかもしれない。私達は何事も忘れやすい生き物、人の噂は75日よりも早く消滅する。冬の軽井沢、夏の熱海、時と場所を変えても鳴り続ける四重奏、もう逃げる必要もない。夢を諦めた大人は強い、寝て起きてご飯を食べてまた寝て、そして生きてされいれば、人生は思いの外チョロい。
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