ぼっちザうぉっちゃー

Motherのぼっちザうぉっちゃーのネタバレレビュー・内容・結末

Mother(2010年製作のドラマ)
4.3

このレビューはネタバレを含みます

冬、雪、松雪泰子、赤いコートの芦田愛菜。一話で提示された圧倒的シリアスと、この印象的なビジュアルがずっと残る。
タイトル画面の十字と鐘の音も印象的。

なんだか倉科カナの使われ方になんとなく時代を感じて妙にええなぁと思った。
とにかく松雪泰子の儚い、消え入りそうな存在感が素朴さと神秘どちらも感じさせる。そして感情表現が決して上手くないからこその、ふとした瞬間にこぼれた笑みや強い口調に出る説得力を醸し出すのが素晴らしい。あと浴衣姿美しい。

芦田愛菜はやっぱすげえなぁと笑
子どもらしい無邪気さと、それでもどこかでブレーキをかける大人じみた振る舞いと。そういえばなんだかんだ、大人よりもむしろ子どもの頃の方が意外と、大人相手にしたときの本心を出す言動とかにいちいち気を遣って心削ってる感覚あったよなと思い出した。
また、ちょうどラストの手紙が宛てた12年後のタイミングで観たので、不思議と感情的にリンクしたとこもある。

田中裕子は「Woman」と似た役どころではあるが、また違った暗い影と穏やかさを背負った出で立ちがやはり抜群の魅力。感情を揺さぶる大きな演技というよりも、ゆったりとした、表情や仕草で魅せる演技にとても引き込まれる。あと割烹着姿が似合うぅ。

あくまで一人の女性が抱いた母性を元に、一人の少女が救われたある季節。そして逃避行の先々で偶然に、けれど確実に変わる二重の家族関係が具に描かれていて、万事解決の大団円みたいなものではないけれど、切なさの中にどこか胸のすくような思いが残される。そんな気持ちになれた。

印象深かった言葉
・あなたは捨てられたんじゃない、あなたが捨てるの。
・小さな子が親に向ける愛が「無償の愛」