菅藤浩三

家なき子の菅藤浩三のレビュー・感想・評価

家なき子(1994年製作のドラマ)
5.0
 ひとことに子役の天才にも、ヒトにいじめられるが折れない本人もえぐくてもたくましいタイプと、環境に嘆く姿がせつなく本人は清純でえぐくないタイプで色が割れることがわかる。後者は芦田愛菜、前者は安達祐実であり、たとえばこのドラマには明らかに芦田愛菜ならミスマッチである。どちらが上手いとかでなくどちらが光るかの差である。
 小柳ルミ子・新藤恵美・細川俊之、出てくるオトナがみんな狂ってるが、その中でも見ものは当初は純粋まっすぐだった保坂尚希がお金で自分の芯が歪んでしまうところだろう。逆に菅井きんと京本政樹は本音で生きるがその言葉が活きていた。シーズン1の助演男優賞は文句なく最初から最終回を除いてずっと憎たらしかった内藤剛志、その後にバイプレイヤーの仕事がひっきりなしになりついには刑事もので主役を勝ち取るサクセスストーリーの体現者。そして、最初から最後まで想像を裏切るエグイ展開を次から次に繰り出したとうに売れっ子になっていた野島伸司の本領発揮。これはいまや地上波では放送できないが、とにかく面白いスゴイ
菅藤浩三

菅藤浩三