これはなかなか難しい。。
自力で億万長者になった史上初の黒人女性としてギネスにも載っているマダム・C.J.ウォーカーさんのお話。
1890年代のセントルイス。
ギリ北部ですね。
親世代までは南部のプランテーションで働いてたけど、北部へ移住して、洗濯婦から億万長者になった、と。
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マダムcjウォーカーの名前はサラ。
サラが洗濯婦として勤めている主人はアディー。
アディーは黒人女性用の育毛剤を開発・販売している。
サラはアディーの育毛剤の販売員になりたいと思ったけど、断られる。
で、アディーの育毛剤の成分表示を盗み、さらに研究して、新しい育毛剤の開発に成功!
事業は大成功!
ロックフェラーの隣の大豪邸に住むまでになる。
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最初は育毛剤って言ってたんだけど、
途中からぬるりと直毛剤って言い換えはじめてんのよね。。。
直毛剤ってなかなか微妙な存在で、
黒人固有の髪質を否定するものとして批判を受けたりもする。
で「白人に近付きたいんですか?」と聞かれると
サラは
「白人には興味ありません。美しい髪を手に入れたいだけです」的なことを言う。
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いや、だからなんで黒人固有髪じゃなくて
肩まで伸びたサラサラの髪を美しいと思ってるの?
という話。
個人の自由もあるので微妙なとこなんだけど
その微妙なところを意識的に無視してガンガン押し進めてる感じが、それこそ微妙。。
時代もあるとは思いますが。
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サラのキャラクターが、乗りにくいんですよ。
かなり独善的で傲慢。
共感しづらい。。
だからこそのオクタヴィア・スペンサーなのに、
彼女の愛くるしさ、親しみやすさを加味することで、
黒人初の大富豪になるサラの奥行きを演じられるはず、、
だったのに、かなり表面的にしか見えない。
ただただ傲慢。。
こういうパワーがないと大富豪にはなれませんよ
という示唆なのかも知れないけど
別にその点は描かれてないからね。
成功するためにあえて非情になってるわけではなく
そもそも彼女が持ってる傲慢さによって成し遂げられたことって感じがする。
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育毛剤から直毛剤へぬるりと変換されたことも
成分表を盗んだことも
もっと人間らしくなやみ苦しむ時間があれば、深みのある人間ドラマになったのに。。
かなりもったいないですね。
四話あったけど、
そんなに中身なかったのでちゃんとうまく映画にしていれば良い作品だったかも。