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イエス・キリストの生涯のtaruponのレビュー・感想・評価

イエス・キリストの生涯(2019年製作のドラマ)
3.7
これが、ドラマのジャンルに入るのかどうかは、よくわからないが、キリスト教に関して、日本人的一般レベルの知識しかない立場から見ると、すごくわかりやすく、いろいろ納得することも多い番組だった。
聖書の福音書のエピソードをベースにしながら、いろいろな立場の専門家の方がコメントしながら進行していくところが、すごくわかりやすかったと思う。

良かったと思うところを、ポイントごとにまとめると以下の通り。
・誕生から、復活にいたるまで、各話そこで重要な役割を果たした人物の視点にフォーカスして描いていたこと。
冒頭まず、父ヨセフからはじまるけれど、当時のユダヤ人社会の風習、考え方の解説があり、婚約者マリアの処女懐胎をどう受け止めたのか等のドラマがあって、思わず「そうだよね!」と思ってしまった。
また、ユダヤ教の大祭司カイアファ、ローマ総督ピラト、裏切り者ユダ等、イエスと敵対する立場からみた意見であったり、なぜそう思うのかという部分も表現されていて興味深かった。

・ユダヤの地を舞台に映像化されていること。
キリスト教にはなんとなく欧米のイメージが強く、本来はあのアラビア半島の地中海に面した地で誕生したわけだが、土地柄、人種的部分も含めて何となくぴんと来ていない部分も多かったのだが、その土地を背景に描かれると、描かれる内容に説得力が感じられる。

・ペテロとかユダとかアンデレとか・・・・聖者の名前としては聞いたことがあっても、具体的にたくさんいる弟子たちが頭の中で識別できなかったのだが、ドラマの中でみると印象がはっきり残り、今後いろいろなものを読んだり、絵を見たりした時も、エピソードも含め理解も深まりそう。

欧米を知るには、キリスト教の知識は必須と、専門家の人も言っていたが、すごくわかりやすく概観できるのはとてもいいものだと感じた。。
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