生涯No.1ドラマ。 伊吹と志摩のキャラクター造形が素晴らしすぎて、多少粗があってもこの2人の掛け合いだけで成立するのでは？と思ってしまうくらい。
しかし、そこは野木亜紀子。
期待を遥かに超える緻密な脚本に圧倒されてしまった。
何がきっかけで人は罪を犯すスイッチを押してしまうのか、それは誰にも分からない。
この物語において伊吹たち4機捜は
そのスイッチを止める役割を果たしており、最終話では薬の幻覚によってもたらされた最悪の未来すら変えてみせる。
そして、なんといっても久住という絶対悪の存在は切り離せない。
言うなれば悪意のスイッチそのものであり、彼自身は何も持っていないし、他の同情も許さない。 そんな悪役を、菅田将暉がチャラい関西弁で演じるからこそ深みが増していくのだ。
最後に、志摩一未について語らせてほしい。
6話以前までの彼は、相棒を失い、全てを信じられなくなってしまった。 そんな彼が出会ったのが、足が速くて生命線が長い伊吹だった。 もう2度と相棒を失いたくない志摩は最終話で単独行動し、伊吹とすれ違ってしまう。
お互いを思い合う故のすれ違いと、そこから共に見てしまった悪夢を抜け出すための戦い。
この気持ち良さを味わいたい人は
ぜひ1話から最後まで見てほしい。
