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MIU404のこのレビュー・感想・評価

MIU404(2020年製作のドラマ)
4.8
脚本、プロデュース、演出、主題歌なアンナチュラル組が再集結という話題作がほぼ1クール遅れでようやくスタート。

野木さんの当初の構想では実は14話だったそうですが、11話ということでしたが、詰め込み過ぎも薄過ぎもなく絶妙なバランスでした。
何はともあれこのような状況下においてスケジュールをこなされたキャスト・スタッフの方々に感謝です。

さて、人間は人気作にシーズン2を求めたくなってしまうものですが、実際に満足できるとは限りません。
その意味で本作はアンナチュラルの次に観たかった作品として多くの方が満足するのではないでしょうか。

やっていることはたぶん王道です。
性格が異なるバディものなんて一年に何度も目にするテーマですし。
しかし、王道が異端に見えてしまって、しかも輝いて見えてしまうのがこの制作陣に惚れたファンの弱み。
45分間ずーっと面白い。

笑いが追いつかないくらい畳み掛けてきたと思いきや芯の太さで泣かせに来る脚本、多くを語らないのに心に響き脚本に説得力を持たせる演出、違和感がなく感情移入が容易な配役、クライマックスで落としに来る米津玄師、幸せです。

1話目(暫定スコア4.3)
この感じ、やっぱり好きだなーと一話目で早くも確信しました。

情報量の多い進行・キャラなのに起承転結と伏線のメリハリがしっかりしていて分かりやすい部分も時間を選ばず気楽に観られそうです。
アンナチュラルで野木さんのファンになった人にとってはこういう脚本を求めていたんじゃないかという台詞回しや舞台設定なのではないでしょうか。
いや、それよりは終盤の心にグッとくる場面で被される米津玄師を求めていただけなのか笑

2話目以降、主要キャラのバックボーンや心に迫っていく展開になると思うのでさらに期待です。

余談:大半の場面で源さん目赤いしオールナイトニッポン明けの撮影だったのでしょうか笑

2話目(暫定スコア4.5)
うわー!これだよこれ!
アンナチュラルでは野木さんの脚本が脚光を浴びましたが、演出の塚原さんのセンスが縁の下の力持ちだったのだなーと特に実感させられた2話目でした。
それにしても綾野さんと源さんのアドリブ(と思わしき掛け合い)が凄い笑
欲を言うと、クライマックス、泣きの場面とエピローグの切り替えが早過ぎて余韻に浸れなかったので、、、もう一回観ればいいか!

第3話
陸上部vs足が速い人の回。
やっぱり野木脚本はコタキやけもなれのようなゲストが少なくメインキャストに力技させる作品よりも複雑な背景設定を散りばめつつ視聴者の深読みを誘う作品のほうが好きだなー、と実感。
西武蔵野署の毛利、向島も登場!ということはこの世界でミコトさん達も生きているんだなあ。
塩顔オールスターやな(意味深)というラストの話題の作り方も策士。

第4話(暫定スコア4.6)
追われるミムラ、追うメロンパンの回。
謎と謎が結びつく終盤のシーンはアンナチュラルチームの真骨頂という感じでした。
桔梗さんが追う事件がこの作品のラスボスとなるのでしょうか。
こうなるとますます志摩さんの過去が気になる。

第5話
同時多発コンビニ強盗の回。
渡辺大知さん、フォンチーさんメインゲストです。
フォンチーさん10年弱前に舞台で観て以来ですがお綺麗なままで素敵でした。
今回のようなテーマはもう何年もやっているのにリアルタイムの現実世界でも起きていることだと考えると寂しいものです。
志摩の過去、ナウチューバーの動き出し、例のアレなどいろいろと回り始めた回になりました。

第6話(暫定スコア4.7)
ついに明らかになる志摩の過去の回。
コタキ兄弟でも存在感のあった北浦愛さんが圧倒的。
映画でも余裕で2時間保ちそうなミステリアスさ。ダークサイドに堕ちた黒木華の如き艶かしさ。心を掴まれました。
レギュラー陣については志摩と伊吹、九重と陣馬、それぞれの相棒度の高まりににやけてしまいました。九重の好感度も上がりまくりでした。
それとともに演者と役のシンクロ率も高まっていて、特に伊吹が桔梗さんを説得する場面の綾野剛さんの演技は圧巻でした。
久しぶりに見たかっきーの可愛さもポイント高し。
そしてそして、、、やっぱりこの世界にもいらっしゃったのですね。
ラストはそりゃこうなりますよね。。。

第7話
井口くんかわいい、トライストーンとアミューズがコラボな回
りょうさんコスプレしてるし、猫かわいいし、ベビメタだし、井口メロンパン運んでるし、九重と陣馬の家族も登場(陣馬さん娘役が見上さん!)するわ、三元さん含めたアクションあるわ、あれとあれの話も進展あるわ、ととにかく情報量の多い一話でした。
少し散漫な印象もありましたが、第7話ということですっかりこのドラマのファンになった身としてはむしろニヤニヤしてしまう場面多々でした。
物語のフラグについても視聴者として自分の勘が当たっているのかミスリードされているのか疑心暗鬼になる演出も素敵です。

第8話
猟奇殺人、捜査一課vs.機捜
懐かしのメンツ、名前が続々と。しかもCMまで至れり尽くせり。
そんなサービスたっぷりな本話は、猟奇殺人がテーマ。
真相が分かってからの演出、各人の演技が厚くずっしり来ました。

第9話
寒くて暗くて狭い場所
第8話後半を通過した伊吹の顔が強い。
パズルのピースが決まっているときの野木さんの脚本、強い。

第10話
Not found
その第10話公式タイトルが解釈次第で何重にも意味を持つ一話でした。
前話同様、過去回を見返したくなる脚本になっています。
正義についての解釈についても、MIU404とアンナチュラルで筋が通っているところに感動します。

最終話
15分拡大版ですが凝縮してようやく15分拡大に収まったという印象のあるくらい全場面が絡み合う凄まじい一話でした。

余談ですが、9/7の週に実施されるニッポン放送オールナイトニッポンのスペシャルウィークではMIU404関係のMC、ゲストが入り乱れて必聴です。

さらに余談ですが、最終話中盤の演出がお好きな方はSPY×FAMILY作者の読切作品「煉獄のアーシャ」もハマると思います。共通項はある一点を除きほぼないんですが笑
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