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プリズン・ブレイクのNMのレビュー・感想・評価

プリズン・ブレイク(2005年製作のドラマ)
3.3
何となく見始めたが、段々とハマっていく。
個人的には犯罪とその刑罰について考えさせられた。

まず主人公の兄は死刑囚だが無実。
みんなが有罪と思い込んでいても、真実が誰も見いだせていないだけという状況は現実に十分ありえるはず。

服役しているやつらはどうしようもなく見えるが、特に16話を観るとそれぞれ様々な生活があったことが分かる。
特に重罪を続けていたティーバッグも、一時的には愛と希望を見出していた。それが完全に偽物だと言い切れるのだろうか。それが断たれた途端すぐに戻ってしまったし、そもそも身勝手な主張ではあるが、本当に更生の余地はないのだろうか。最初から、こいつだけは最悪だと思って観ていたが、そう言えば時々ちらっと子どもを思いやったりする場面もあった。少し運命が違っていたら何かが変わっていた可能性もあったのでは。
逆を言えば誰しも不幸が重なればこんなふうに堕ちてしまう可能性があるのでは。

主人公マイケルと兄もそう。同じ家に生まれたが途中で大きく運命を変えた。今は刑務所にいるがもとは二人とも崇高な目的があった。

女医の経歴も興味深い。慈悲深く真面目な人だと思っていたら実は暗い時代もあった。

人間に善人と悪人の二種類がいるのではなく、そのボーダーは極めて曖昧であり、誰もがふとしたきっかけで転落する可能性を持っている。そして落ちるとなかなか抜け出せない。

またトゥイーナーとの出会いも印象的だった。マイケルは彼の命を救ったがその後何度も彼によってピンチに追い込まれる。相手を思って危険を冒したのに、それを知りもせず誰にも感謝されず、後から告げることもできない。小物でずっと足手まといだった彼もやはり最後に小さな恋で立ち直れそうな希望を見せてくれた。一足遅かったとしても。
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