甲冑

オスマン帝国: 皇帝たちの夜明けの甲冑のレビュー・感想・評価

4.5
映像題材としてはもってこいであろうコンスタンティノープルの陥落が今の今まで映像化されなかったのはクリスチャン社会へのお気持ちが関係しているのか、まぁここにきてなかなかのクオリティーで英語語りとは言えある程度公平な視点で作られた事は個人的に拍手(スルタンは数カ国語習得していたようなのでそれを描いても欲しかった気も)。古代ローマからだと2千年以上、東ローマでも千年以上の歴史(ラストエンペラーがコンステンティヌスの名を持つのがまた運命的)を、東方正教総本山である当時世界最大の難攻不落のメトロポリスを21歳の若きスルタンが幕を引くインパクト。そしてその後のヨーロッパ世界を変えてしまう歴史的転換という意味でも大変興味深い。時にアレクサンダー大王やカエサルを口にするメフメトはムハンマドの予言のもと制圧しただけではなく帝都がギリシア、ローマの礎の上にある事を認識しており、その後の街の発展や建築、美術への関心、多人種・多宗教融和のコスモポリタンな帝国作りなどの文武両道さには感銘を受ける。オスマンのスルタンは英才教育を受けるんですなぁ。ブラド戦もドラマとしては面白いけど陥落後の統治や政策に興味があるのでそのあたりも触れて欲しかった。とりあえずイスタンブール行きてぇ…。
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