岡田拓朗

陸王の岡田拓朗のレビュー・感想・評価

陸王(2017年製作のドラマ)
4.1
連ドラでこんなに何回も泣いたのは初めてかもしれない。毎回どこかしらで泣かされた。
以前の投稿で感動の連鎖と書いたがまさしくで、さらにラストは感動の集大成であった。
結末がわかってたにせよ、やはり泣けた。
.
今作を理想論として語る人もいるかもしれない。
一筋縄でいかない流れはしっかり描かれてはいるものの、あんな形で相乗効果が生まれて、最終的にみんなが幸せになる道が開かれるなんて…正直夢物語じゃないかって。
.
それは大半の人が挑戦もしなければ、挑戦したとしても途中で諦めてしまう人が多いからに他ならないと思う。
むしろ成功してる方々は、本当に今作みたいな苦労を乗り越えて、信じてやってきているのかと思うと感慨深い。
挑戦しないとしなかった後悔だけがもやもやとして残り、それを自分を守る言い訳として使ってしまうこともある。(あのときこうやっていれば成功していたはずだというように)
であれば挑戦してすっきりした方がいいよねって話。
.
ある人のお話で、成功する人は厳しくなったときに、諦めずに乗り越えようとして不可能になるまでもがき続ける人である、と聞いたことがあったが今作はまさしくそれ。
もちろん、そこには一定の才能などが必要なのは言うまでもないが…。
.
会社経営が一筋縄ではいかないことは大前提でしっかり描いてるが、それだけでなく経営者が選択を迫らないといけないときの悩みや葛藤までもがちゃんと描かれていて、経営の難しさや尊さを客観的に観ることができる。
裏切りもつきものである。
それと宮沢社長みたいな人ですら、いやあんな人だからこそ、うまくいってないときに、それが表に出てしまうんやなー。
.
シューズ業界最王手のアトランティスと中小零細で畑違いの中からの新規事業として立ち上げたこはぜ屋。
全く違う両者(特に競合が圧倒的強者)を対比させることで、事業を行っていく上で一番大切であると作者が考えていることがしっかりと伝えられている。
.
経営においてはもちろんお金、人、情報、物、技術などは前提として必要と思われるが、最終的に大事になってくる点は、想いとどれだけ提供する人のためを思ってやり尽くせるかどうか、であることがわかる。
そしてそういうギブの精神は、しっかりと相手に伝わって相手の心を動かす。
.
こういうものが伝わって、しかもそれが結果として表れたときの仕事の楽しさは本当に相当なものなんだろうなと。
また、そういう経験から話せることや自信というものは積み重なっていくものであると思う。
大地の就活がうまくいくようになった流れなんてまさにそれだった。
表面的な言葉で伝えようとするだけのものは絶対に面接官にバレますよね、やっぱり。
.
諦めないこと、想いをブラさず貫くこと、誰かのために尽くすこと、まずはギブしようとすること。
それが結果的に人の心を動かし、自分のもとに返ってきて、三方よしでみんながハッピーになれる。
それがビジネスにおいての理想で、その流れがちゃんと挫折も交えながら描かれてるから見応えもあるし、感動の度合いもお涙ちょうだいの薄っぺらい脚本とは雲泥の差である。
.
前評判を全く裏切らない熱すぎる感動が止まらないドラマでした。
それぞれが自分の仕事に誇りを持って取り組んでいて学ぶことがあって、組織の一体感とか本当に素敵だった。
仕事は楽しめなきゃ損ですね!!
.
陸上は100mが好きでしたが、マラソンもいいですね。
陸王履いて走ってみたい!笑
岡田拓朗

岡田拓朗