この2ヶ月間、至高の物語をありがとう。
原作のゲームも好きだったけども、しっかりとドラマでしか語れない「構成」に仕立てあげており、加えてペドロ・パスカル、ベラ・ラムジーを始めとするキャスト陣の素晴らしさ、映画も含めた上での現状最高峰のCGI技術。こんなに毎週楽しみだったのは同じくHBOの『ハウス・オブ・ザ・ドラゴン』以来でした！
まずもって特筆すべきは3話ですよね。ドラマにおけるこういうスピンオフ回が好きなのもあるけれど、シリーズ全体を通した背骨のようなエピソードになってるのも凄い。終末の世界で他者を守るということ、ジョエルとエリーの長い旅路とやがて訪れる決断を支える大事なエピソード。
そして、7話「Left Behind」との対比も素晴らしい。「20年に渡る塾年の愛」と「たった一夜の刹那的な若々しい恋」。「共に死ぬことができたロマンチックな最期」と「一緒に死ぬことすらも出来ない残酷なサバイブ」。
それぞれが胸に迫るし、共鳴しあったベストエピソード2話でした。
3話はさ、ビルが陰謀論者であって、終末世界が本当に訪れてしまった！っていうシュミレーションにもなっててそこも面白いんだよ。政府を信じてなくて地下に自己防衛施設を作る陰謀論者の人って一定数いると思うんだけど、そのおかげで生き残れてしまったっていうね。間違いなくこういう人たちを馬鹿にしがちな、リベラル層への皮肉。
あとは彼がゲイであることと保守的な思想であることのねじれ、またそれを優しく融解していく物語でもあると思うんだ。こういう所が、いちいちクレバーで素晴らしいのよ。
あとやはりベラ・ラムジーの演技の凄まじさよ！7話の彼女の眼差しだけの演技でめちゃめちゃ泣いてしまった…エリーそのものだったし、なんならオリジナルを超えているのでは…最高だ…
