HBOが制作した人気ゲームの実写ドラマ。抗体を持つ少女を運ぶ男の話。
まさかラスアスでブロークバックマウンテンが見れるとは！！ドラマ版の今作の評判もなかなか悪くないとは聞いていたものの、完全にオリジナル以上の傑作となっていました。世界観はストーカー、アナイアレイション、サイレントランニングのようなハードな名作SF的な雰囲気が残っていて、さすがボーダーやらチェルノブイリの監督が参加しているだけあったと思います。予算の関係上VFXは所々チープではあったんだけど、撮影は綺麗だし、象徴的なカットも多かったです。
ただそれ以上に今作の評価を高めた理由の一つに、上手く原作のゲームを脚色出来ていたというところがありました。3話目のブロークバックマウンテン回と言い、エリーのキャスティングと言い、全体的に美化していないのがとても良かったです。エリー役のベララムジーに関しては、動作とか台詞回しからして子供にしか見えなくて、ちゃんと芝居の出来る役者を選んだなっていうのがよく分かりました。もちろん主演のペドロパスカル素晴らしいし、1、2話しか出ないようなサブキャストもみんな良いパフォーマンスをしていたと思います。逆に細かなところ文句をつけるなら、要所要所にゲームっぽい動作とか展開があって、脚色に成功している分、ゲームっぽい部分は少し浮いていました。ジョエルの感情の変化ももう少し丁寧に描いた方が良かったような気がします。他のキャラクターとの関係からか、どうしてもジョエルとエリーのスクリーンタイムが短く感じました。もっとスローなロードムービーにしても今作は成功していたと思うので、シーズン2ではテコ入れされるかもしれません。
いずれにしても感情を揺さぶられる瞬間も多かったし、とても満足出来ました。原作のゲームをやったことがない人でも、原作のファンでも、このドラマはチェック必須です。
