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太陽の子 GIFT OF FIREのdm10foreverのレビュー・感想・評価

太陽の子 GIFT OF FIRE(2020年製作のドラマ)
4.0
【メッセージ】

劇場版を鑑賞し、改めて録画していたドラマ版を鑑賞。

もう大分前に鑑賞して以来だったから、ディテールは忘れていたけど、こうして比べてみると、劇場版はちょこちょこと再構成されていることがわかる。

勿論、一度テレビで流したものをそのまま劇場で上映するなんて事はないだろうと思っていたけど、テレビ版で物足りないというか説明が足りないな…と感じていたシーンも劇場版では深く掘り下げられていて「なるほど、そういう事だったのか😲」という発見もいくつか。

ただ、だからといってテレビ版がダイジェスト的な作りだったということではなく、あえて視点(主観)を劇場版と違う作りにしていたので、若干ではあるけど物語の印象自体も違ったものに感じた。

テレビドラマでは世津(有村架純)のナレーションを入れることで、どちらかというと彼女の視点で語られることが多かったけど、劇場版では完全に修(柳楽優弥)の視点となっていたため、ドラマ版では触れられなかった修の苦悩がよりクローズアップされる作りとなっている。

こうすることで物語の印象もまた違って見えてくるから不思議だ。

そして、どちらにも共通する三浦春馬の存在感。メインキャストの三人の中では一番出演時間が短いにも関わらず、夢や理想だけではどうにもならなかった当時の若者の苦しさと、それを内に秘めた優しい表情が尚更辛かった😢

このお話(劇場版、ドラマ版とも)に共通して感じたのは、三浦春馬演じる裕之は蜃気楼のような存在だったのではないか…ということ。

修や世津に「生きる」ということの大切さを伝えるためにフッと現れて、強烈な残像を残してまたフッと消えてしまう、そんな印象だった。

でもね、それを成立させたのは、やっぱり三浦春馬の演技力だったと思う。
包み込むような優しい微笑みの奥に抱えきれないくらいの悲しみや苦しさを隠しているっていうのが、見ていても伝わってきて本当にこちらまで苦しくなる。

ドラマ版はドラマ版の良さがあると思いますが、劇場版も観てみると、その違いが面白いかもしれません。
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