スウェーデンの鬼才シモン・ストーレンハーグの世界観がドラマで描かれた！宇宙の謎を解き明かすための地下研究施設「ループ」が存在する80年代アメリカ。そこの地上の町の住人達を映したSFドラマ。時を止めるガジェットや身体を入れ替える謎の球体、不思議な現象に翻弄される住人達の反応やそこから導いた行動に見入ってします。張り詰めた空気の田舎風景の中で異質な存在感を放つレトロ感溢れる二足歩行ロボットにはビビッとくるものが！
オムニバス形式で主人公が変わる構成ですが各EPの登場人物が他のEPでも役割を果たしていることもあり、没入感深い状態で新たな話に臨めるのが嬉しいです。話が入りやすくなるのはEP2以降の印象。原作からインスパイアされ練られたストーリー。非日常要素が住人達にもたらす運命には「大切な人を失うかもしれない時あなたならどうする？」という問いかけが一貫して掲げられているように感じました。普遍的な題材である喪失感がレトロSFの世界観に乗ることで異質な魅力を放っています。自分が特に好きなのはEP4「エコースフィア」です。
本作の世界観は原作イラストをかなり忠実に再現していると思います。舞台はアメリカで（原作はスウェーデン）、その土地に足を運んだことが無いのにノスタルジーを感じることができるのがとても不思議な感覚。本作の映像化に圧倒された身としては氏の「エレクトリック・ステイト」ハリウッド映画化決定にとても期待してしまいます！
