ナシノツブテ

それでも、生きてゆくのナシノツブテのレビュー・感想・評価

それでも、生きてゆく(2011年製作のドラマ)
4.3
被害者遺族と加害者遺族。立場は違えど、同じ苦しみを抱えながら生きている。

残された者は生きていかねばならない。

生きていくためには、いつまでも憎んではいられない。

もちろん憎しみが唯一の生きる糧になることもあるが、それには限界がある。

憎しみ合ってきた母親同士がお互いの行く末を共に考えようとしたのは、そのためなんだろう。

9話までは満点をつけたいくらいの大傑作だと思った。だがしかし10話が残念だった……瑛太が殺人鬼を救うシーン、感動したと言う人もいるみたいだけれど、私は正直吐き気がした。大切な妹の命を奪った人間を救うだなんて、リアリティがないというか、綺麗事としか思えない。

「ごはんまだかな…」その一言に全てが詰まっている。心のない生き物と理解し合うことなんて、土台無理な話なのだ。更生の余地も、希望の光もない。

大竹しのぶの迫真の演技には胸を打たれた。瑛太や満島ひかり、風吹ジュン、その他の演者も実力派揃いで、どんどん引き込まれていった。ラストはともかく、とっても良い作品だったと思う。
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