シュローダー

アンナチュラルのシュローダーのレビュー・感想・評価

アンナチュラル(2018年製作のドラマ)
4.8
ラストマイルに向けて。先に観ていたMIU404は「スペクタクル」を追求し、主人公2人に圧倒的な魅力があったが、こっちの方は「サスペンス」として面白く、サブキャラも含めた組織全体の人間たちのアンサンブルが良かった。石原さとみをほぼ初体験したのがこの作品だったが、こんなにあざとさを自然に成立させられる人なのかと感心したし、視聴者の視点を代表するあずにゃん枠なので美味しいに決まっている窪田正孝、クソ態度が悪いベジータみたいな人間かと思いきや「lemon」の歌詞を一手に引き受けることになる井浦新、などなど、ズルいキャラ造形のオンパレード。各々がそれぞれの正義観をぐらつかせながらもチームとして協力していくのがMIU404と同様、攻殻機動隊みに溢れていて個人的なツボを刺激していく。どっちにも共通するのは、本筋を畳出す後半になってくると話が1話の中で二転三転していく単発回に比べてサッパリ終わってしまう感じが出てしまう所。まあこれは日本の連ドラ特有の湿り気のない作劇のせいとして割り切れるかどうかの問題なので、あまりグチグチ言うつもりもないが。ラストマイルでまたアイツらに会いてえと思えるくらいには思い入れを持てたので、観てよかった。