TaiRa

アンナチュラルのTaiRaのレビュー・感想・評価

アンナチュラル(2018年製作のドラマ)
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ミステリードラマとしても二転三転する展開が面白く、同時に現代日本の抱える問題を早い段階で取り上げ、それに対する答えも提示する。傑作。

石原さとみの主人公が無理心中の生き残りである事が上手く展開に機能する。サバイバーズ・ギルトによって「死」と向き合う事になった人間を通して描かれる希望。彼女の食事シーンが丹念に描かれるのはそれが「生」の象徴となっているから。恋人を殺された井浦新も「死」に取り憑かれてしまった人間であり、この二人の希望と絶望がいつもせめぎ合う。クライマックスに向けて張られていく伏線も上手く、善悪を超えた命、復讐、などが活きてくる。日本の解剖率の低さなどへの問題意識なども最後の展開に繋がる。徹底した取材によるミステリーも素晴らしい。オリジナルでこれだけの情報を組み込むには相当な取材力がいる。キャストのアンサンブル演技、自然体なやり取りも非常に魅力的。コミカルなシーンのテンポが絶妙。素早い編集と情緒的な画がバランスよく入ってる。脚本、演出、芝居、どれも最高。シーズン2希望。
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