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アンナチュラルのkirika75のレビュー・感想・評価

アンナチュラル(2018年製作のドラマ)
4.5
謎の死を遂げた遺体の司法解剖を行う架空の組織・UDIラボを舞台に、幼き日の一家心中の生き残りであるヒロイン・三澄と恋人を残酷な殺害者に奪われた同僚・中堂が、法医学者として不条理な死と闘う姿を描いた人間ドラマ。

一話完結の事件の謎解きとともに、中堂の恋人の死の謎に近づいていく展開がスリリングで目が離せない。そして事件の被害者たちの置かれた痛ましい状況、三澄や中堂が経験してきた悲劇と苦闘に胸を突かれる。

同じ脚本家+演出家+プロデューサートリオのMIU404同様、最終回直前までは緊張感が高まっているのに最後の最後で極悪の犯人が急にチョロくなってしまう肩透かしなところはあるものの、全体としてとても見応えのある優れた作品。

無愛想な中堂役を魅力的に演じた井浦新、主人公のいい味出してる親友役が誰よりもピタリとくる市川実日子、普段はコメディ担当だけど決めるときはビシッと決める所長役の松重豊、と役者も皆良くて、決して演技がうまいとは言えない窪田正孝がこんなに光っているのも朝ドラ以来では。なのに主演の石原さとみが下手ではないのに少し違う気がして、例えば綾瀬はるかとか戸田恵梨香で観たかったなあ、という思いは残る。

主題歌はもちろん米津玄師の名曲「Lemon」。このドラマを観た後、耳に響いて離れなくなる。
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