とぽとぽ

ジ・エディのとぽとぽのレビュー・感想・評価

ジ・エディ(2020年製作のドラマ)
3.8
店を守りたい --- 渦に飲み込まれる。若き天才デイミアン・チャゼル × ジャズ = 運命とも言うべき切っても切り離せない幸運な両者の組み合わせ、世界中にその名を轟かせた衝撃の傑作『Whiplash セッション』の頃から一貫して描いてきた題材/テーマ。それを今度はパリのジャズクラブを舞台に人間ドラマ/人生模様と共に巻き込まれ型サスペンスまで絡めて紡いでみせる。気づけば裏社会にズブズブと足を踏み入れている、そして怪しい連中と主人公を疑う傲慢な刑事の両方から目を付けられることに。状況は次第に悪化していく、急用に急用が重なって首が締まっていき暗黒外の大物とも。比較的ありがちな話の筋それ自体はもしかするとどこかで見たことあるような慣れ親しんだものかもしれないけど、そこは流石のデイミアン・チャゼル卓越した手腕でバンドのスリリングかつ豊潤な演奏を率いるように飽きさせない(実際、監督しているのは最初の方だけっぽいけど)。表面上は気取った印象を受けないこともなく、あと幾分スローテンポすぎて、達観したように鼻につくきらいもあるかも。その逸品な雰囲気に酔いしれる分には十分なのかもしれないけど、ちょっとジャズ以外がうるさすぎないか。ジャズがいつも皆の中心にあるということなのかもしれないけし、騒音とまでは言わないにしても周りが騒がしすぎる気もした。時折少しムーディー(言葉合ってる?)すぎる気もしたけど、肝心の演奏シーンからも逃げないでとことん魅せてくれる。
ではバーフライから --- 仲間そして父娘。製作のニュースを聞いたときから心待ちにしていた待望の企画。ただ彼が全話監督しているわけではないので、脚本・製作総指揮ジャック・ソーンも本作の顔。チャゼル回じゃない話数を見ると、やっぱりデイミアン・チャゼルってスゴいんだなとも実感。あと実際見るまでどういう内容なのか知らなかったので、上述した通り、多かれ少なかれ驚きはあったかも。次から次へと主人公円形脱毛症とかならないか心配になるくらい色々問題山積み。店を燃やすとの脅迫から、店の乗っ取りまで? 主人公の娘、見ていてイライラヒヤヒヤするけど、これくらいキャラ立っていてバックグラウンドもしっかりとして共感できる余地を作った上で、観客を苛立たせたり不安にさせたりする方が効果的なんだろうなってムカつくキャラ見るといつも思う。ただの理不尽胸糞は観客受け最悪になるだろうから。それら障害を乗り越えた先には深い感動と、そして心温まる瞬間にもしかすると頬を伝う涙も。なんて油断していたら忘れた頃に火炎瓶!

各話一言(?)感想
#1 elliott「冒頭からやっぱりチャゼルカット!コレで一気に惹き込まれる!滑り出しとしていい感じ、そしてまさか!」, #2 julie「ストレスフル!」, #3 amira「弔い...仲間って音楽っていいな」, #4 jude「人間臭い!あれ、チャゼルが全部監督するわけじゃないのか」, #5 maja「夢と恋愛モノでよく見るやつだ」チャゼルじゃない?, #6 sim「いやいや、いい話かもしれないけど、これ純粋に客として見たら金返せ!スレスレじゃないか!そしてやっぱり娘ムカ...」チャゼルじゃない?, #7 katarina「(オーバーダビングのシーンを見て思ったこと)ミスもだけどそれ以前に演奏内容も誤魔化せないな(笑)!ドラムスキル、カタリナの方がフィジカルで、エリックの方がプロフェッショナルな感じがした(素人目の意見ですが)。にしてもラストカットめちゃ痺れた!震えた!!」チャゼルじゃない?, the eddy 影のパートナー、メンバーは全員揃った♪ジ・エディ "Let's do it!" 路上「あれ、これリミテッドシリーズかと思ったら続く?」チャゼルじゃない?
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