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バイプレイヤーズ 〜もしも6人の名脇役がシェアハウスで暮らしたら〜のdaiyuukiのレビュー・感想・評価

4.3
「中国の動画配信サイト“友中”が『七人の侍』のリメイク版を制作する。待遇もギャラも破格な大型プロジェクトである。
主要キャストとして出演して欲しい」と大杉漣、遠藤憲一、田口トモロヲ、松重豊、寺島進、光石研6人にオファーがきた。
同社のアシスタントプロデューサーを名乗るジャスミンによれば「監督は中国映画界の巨匠・張芸謀監督」「もう一人、役所広司の出演を予定しているが、他の仕事があるため本作品には後から合流する」という。
また、「クランクインするまで、絆を深めるためにシェアハウスで3か月間共同生活を送ること」を出演条件として提示される。
当初は戸惑うが、俳優間では絶大な信頼と尊敬を寄せられる役所の名前を出されたこともあり、6人は条件を受け入れ、大杉が所有する館山の別荘で共同生活をスタートさせた。
慣れない家事の分担や各々の仕事の話を楽しむ和やかな雰囲気のなかにも、時折、遠慮や躊躇が見え隠れする。
実は彼ら6人は、10年前に『バイプレイヤーズ』という映画で共演しているが、撮影中に意見のぶつかり合いから制作を頓挫させた過去がある。
そのため、未だ疑念やしこりが残っているのではないかと不安を抱えていた。
そんな中、役所本人に『七人の侍』の話は全く伝わっていないことが発覚。
ジャスミンを問い詰めるが「所属事務所とは話がついている。
俳優に次回作の話が伝わっていないのはよくあること」と言いくるめられ、釈然としないままだが共同生活は続行していく。
果たして「七人の侍」は、実現するのか?
大杉漣たちバイプレイヤーズが、シェアハウスでわちゃわちゃして、仕事に悩み熱中したりしていく共同生活を、バイプレイヤーズが制作していた「バイプレイヤーズ」のフィルムの行方をめぐるサブストーリーを絡めて描くセミドキュメンタリースタイルのドラマ。
共演NGの俳優との仕事、スキャンダルが仕事に与える影響、アクションシーンの撮影の裏側、悪役をやる者の苦悩など、芸能界の裏側が分かったりするバックステージものの要素もあり、バイプレイヤーズのおじさん同士のイチャイチャを楽しめるし、思い込みの強い大杉漣やマニアックな田口トモロヲや強面で料理上手で頼れる松重豊など素顔かと思える素顔の魅力、映画などエンターテイメントやそこに関わる俳優に対する愛情がこもったコメディドラマ。
オープニングの「レザボアドッグス」オマージュ、バイプレイヤーズトークも、面白く、竹原ピストルのエンディングテーマがしみじみした。
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