芹沢由紀子

スティーブン・キングのザ・スタンドの芹沢由紀子のレビュー・感想・評価

4.5
とにかく長い!6時間。
長い映画だなあ~と思ってたけど、ドラマだったんだね。
でも映画並みの製作費とスケールだよ。
学生だったときに、このドラマ大好きで何度も観た。
始まりはパンデミック。ウオーキングデッドみたい。
どんどん死んでいく。交通網マヒ。
でもなぜか病気にかからない人間たちがいて、みんな同じ、南部のトウモロコシ畑で黒人のおばあちゃんが呼んでいる夢を見る。
みんなそこにユートピアを見出して、目指す旅を始める。

スティーブン・キングっぽい始まり方で、どんどん先が気になって止まらなくなるおもしろさ。

ラスベガスを目指す全身デニムの男と、真っ赤なドレスの女の子。
ステレオタイプのわかりやすいキャラクター設定は、漫画っぽくてとても好き。

旅の途中で、虫垂炎かなんかで仲間が死んじゃう描写とかは本当に衝撃で忘れられない。医者がいて設備があれば死なないような病気が、この状況下では命取りになる。トラウマ。
ここでもゲイリー・シニーズは良い人ぶりを発揮していた。


途中の田舎町で出てくるメガネでニットベストみたいなの着てる青年、ハロルドが超タイプだった。
主人公の顔が小さすぎて、ヒロインの女優さんの顔のデカさが強調されて気の毒だった。

ラスト、悪の巣窟みたいになってるラスベガスの街の住人達、みんなが北斗の拳の悪人ファッションだし、グヘグヘ言っててたまらない。まさにマッドシティー!!!

大きな手が出てきて「悪魔」っていわれても・・・
「筒井康隆」の短編「いちごみるく」の内容を読んだとき、このシーンを簡単に想像できた。※いちごみるく、は大きな悪魔の手により、大衆が巨大すり鉢の中ですりつぶされて、いちごミルクにされる、というお話。


とにかく、私は大好きなお話です。長いから、見るときには覚悟が必要。
芹沢由紀子

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