七沖

ウルトラマンZの七沖のレビュー・感想・評価

ウルトラマンZ(2020年製作のドラマ)
4.5
コロナ禍の中で放送が始まったウルトラマン。
自分は世代的にはティガとダイナで、ガイア以降は全くシリーズを観ていなかった。「どうやらセブンの息子やタロウの息子がいるらしい…」「最近はウルトラ戦士や怪獣のカードやメダルでフュージョンするらしい…」という話は聞いていたが、その程度の知識だった。

それでも、この作品はめちゃくちゃ面白かった!!

かなり特撮愛を感じる演出が多く、毎話ごとに凝ったカメラワークで魅せてくれる。
地響きで跳ね上がる車の運転席からの視点や、ミニチュアの町の中を逃げ惑う人々の合成シーン、敵の光線を正面から回りながら避けて飛ぶウルトラマン、やり合うZと怪獣を中心にグルングルン回る(平気で5周くらいする)スピーディーなカメラなど、思わず「おおっ!」と声を漏らしてしまうシーン多数。

敵怪獣もレッドキングやキングジョーなど古い怪獣もけっこう出てくるので、自分のような2000年以降のシリーズをあまり知らない身でも安心して楽しめた。ここもポイントが高い。
Aとのエピソードは特に印象に残り、最後の飛び去る時の軌跡も心憎い演出だった。

キャラクターも良いバランスで、熱血なハルキと、日本語がちょっと変なZさんとの組み合わせは見ていて楽しい。
普通、バディというと性格が真逆なキャラ同士を組ませるのが鉄板だが、同じタイプのキャラ同士で組むというのも意外に面白かった。

ベテラン整備士バコさんを演じたのは橋爪淳。橋爪淳といえば、自分の中では『ゴジラVSスペースゴジラ』の主人公だが、最初はなかなかその頃のイメージと今の外見が結びつかず、しばらく同一人物だと気づかなかった(笑)。渋くなったなぁ。

最終回は激熱!
やることをやり切って終わった、文句なしのラスト。
個人的に『シン・ウルトラマン』の最終戦に欲しかった熱さが、この最終回にはたくさん詰まっていた。
ウルトラマンで感極まって泣いたのは初めてだ。
「ご唱和ください、我の名を!」
七沖

七沖