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ターン X タイプのMのレビュー・感想・評価

ターン X タイプ(2019年製作のドラマ)
4.5
わたしの推しカプです。MewGulfありがとう。

Typeの、過去のトラウマも描かれるとはいえホモフォビア(同性愛嫌悪)を感じさせるキャラクター像や、序盤に寝込みを襲うTharnなど許容しがたいシーンもあります。
が、それを批判することと作品を愛することは両立すると思っているので続けます。

わたしは序盤の喧嘩シーンもフィクションだと割り切れたし(それを意図して過剰に演出してるはず)、その後キスしてセフレになって…っていう怒涛の展開にはおもしろすぎて腹抱えたし、本作をきっかけに"喧嘩ップル"好きを自覚しました。

タイドラマに割と共通して言えるのがテンポ感のよさだと思うんですけど、『TharnType』はよさの範疇に収まらない。怒涛。
"喧嘩ップル"好きの素質があるひとは1話目から優勝が確定すると思うんですけどどうでしょう。


さて、冒頭に許容しがたいシーンもあると明記しましたが、ホモフォビアを抱えるTypeと対照的なTharnの性自認がとてもよかったです。

BL作品では「俺は男は好きじゃない、お前だから好きなんだ」といった台詞がよく見受けられます。
一見ロマンチックな響きに聞こえるかもしれませんが、異性愛規範を前提とした台詞だと問題視されています。

Tharnはタイドラマでも珍しくオープンリーゲイとして描かれていて、「俺は男だから、お前が好きなんだ」というような言い回しをします。
その点で、本作はBL作品のなかでも進んでいると言えるしTypeとの対比がより鮮やかになっているんですよね。

(ちなみに『BL進化論』を読んだわたしの解釈としては、Typeは単なるホモフォビアを内包したキャラクターではなく、90年代から続くBLキャラクターの象徴として描かれている気がします。)


そして、特筆したいのがキスシーンの美しさ。
これは百聞は一見にしかずとしか言いようがないんですけど、生々しくなく、だけど2人の感情が伝わってくるんです。

わたしはキスシーンで共感性羞恥心を抱いてしまうんですが、『TharnType』は美しくて見ていられる。
本作では監督がCMBYNを見せてワークショップをしたというエピソードもありますが、そうした演出も含めてお気に入りです。

また、個人的にはTharnを演じた遅咲きのMewくん(29)と、Typeを演じたドラマ初主演のGulfくん(22)。
7歳差のふたりの「絶対成功させんぞ…!」と言わんばかりの気合いがキスシーンから感じ取れます。
2人の徹底した役作りにも最大の賛辞を贈りたいです。

Rakuten TVにて絶賛配信中なので、ぜひ。
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