朝8時というより、深夜32時のドラマ。
朝ドラらしからぬ暗さ。
名優たちの競演と菅波先生のキャラクターの良さだけで半年完走した感じ。
「朝ドラあるある」をぶち破ろうとした意欲は伝わるけど、事実をとことん突きつけまくる描写は作り手の自己満足みたいな段階にとどまっている気がする。
とつとつとくり出されるセリフは、はじめこそじんわり感じたけれど、セリフ一辺倒の勝負で半年間もたせるのはなかなか厳しいものがある…。
まるで是枝作品をうすーく伸ばして半年分にしたかのような印象も受けた。
人間、いくら暗い話をするときでも場を和ませるために急場しのぎの冗談を言ったりするものだけど、本作の人びとはずーっと暗い話ばかりしていてなんか怖い。
故郷の設定は宮城県気仙沼だけど、取り立てて気仙沼を盛り立てるわけでもない。
このくらいあっさりした使い方なら三陸の港町ならどこが舞台でも問題ないだろうし、地域を利用するだけ利用したと指摘されてもしかたないように思う。
場当たり的な部分も多く「あれ結局どうなったんだ?」ということばかりだし、気象予報士を甘く見すぎ。
なにより主人公の人格が最後までわからないままだった。
当て書きなはずなのになぜこうなったのか…笑
菅波先生をさらに押し出して、脇を固める演者さんたちがもっとのびのび取り組めるようにしたら、もっと良い作品になったと思う。
とりあえずいまは『あまちゃん』が観たい…。