ずっと癌で入退院を繰り返している山田くんの役の生に執着せずに全てを諦めている感じすごくミステリアスというか現実離れしていてよかった。
「僕の欲しいものはなにもない」って言い切ってもしなにが欲しいって聞かれたら命って一応答えるけどって寂しそうな顔をする演技とか、すごいなぁと思った。ちょっと猫背で弱々しい感じもリアル。
「死ぬって終わることじゃないですよね」
大野くんの演技がわざとらしくなくて、特に緩和ケアに移行して自宅療養している時のだんだん意識が混濁している感じがすごく上手だったし、家族のメンバーのキャストも素晴らしかった、、、。
最期の言葉が「晩御飯なに?」「茶碗蒸しよ」のシーンも良かったし、大野くんが亡くなったことを知った山田くんの「そっか」だけの反応も長い間病院にいてあまりにも「死」と隣り合わせになってしまった彼のちょっと逸脱した感じをよく表していたと思う。