みけねこ

大明皇妃 -Empress of the Ming-のみけねこのレビュー・感想・評価

大明皇妃 -Empress of the Ming-(2018年製作のドラマ)
5.0
タン・ウェイ、とっても良くて好きになりました。

作品はそんなことして気分が晴れるんか?のオンパレード。
もちろん晴れやしないので、苦悩しながら悪人たち(それぞれ事情はあるけど私から見たら)は逝くのですが、権力争いや確執、野心に満ち溢れた宮中で、若微が孤軍奮闘するのが見ていて辛い。
どうして母の愛は誤った形で伝わるのだろう。"濡れた綿入れ"とどうして言われねばならないのか。
おばあちゃんの「若微全否定、甘やかし教育」が良くなかったよね完全に。はぁ、泣けてくる...。

幼少の頃から哀しい復讐心に燃え、晩年まで苦しむ若微ですが、強くて賢く、愛に溢れた人物像がタン・ウェイにぴったり。ハスキーボイスもとってもよき。
朱棣を前におちゃらけ風を装う策士な瞻基も良かった。段々と皇帝の風格になる様を見事に演じていて、苦手だったあの顔(失礼)もなぜか癖になるという...。笑ってるか笑ってないか、そんな曖昧な口元なのに鋭い目をした表情がたまらない。何この人。存在感強すぎる。それ故、登場しなくなってからの終盤はかなり寂しかった。
いつまでも若微ファーストな徐浜は登場する度にホッとする。若微の全面的な味方でいてくれて視聴者の私も救われた。
ホッとするといえば、高熾(洪熙帝)も。人徳の塊。
すばらしい教えをくれて、瞻基がガラリと変わったのをみて先人の教えを学ぶことは大事だと実感。
「血気にはやらず、時間をかけ解決すべきです。仁義を天下に示し形勢を見て敵意を解いていく。備えれど戦わず、城を攻めず心を攻め、天下に恩を施す。これぞ必勝法です。」なーんて、血気盛んだった瞻基から聞けるとは。偉大なる瞻基パパ。
于謙はまさに清貧。成すべきを成すことの難しさたるや...。

そして妹の蔓茵!!こいつ...!と言いたくなる程、憎たらしい存在へ...。野心が過ぎる。虐待の連鎖も物凄いし、自分のためになることならば命も奪う。若微とは正反対だけど、最期の馬のシーン良かった...。蔓茵がこうなったのも靖難の役を経験した悲しい人生にあるもんね。でも若微が置いていったわけじゃないのにー。モヤモヤ

長編で戦闘シーンは中弛み気味に見ていましたが、面白くてあっという間に見終えました。
心に残った名言もたくさん。本当にいい教えをくれるドラマで、もう一度見たいと思わせてくれました。こんな長文感想も初めてです。

若微の一生に2人の男性がいたけど、それぞれ良かったな。
あの世に共にいきたかった瞻基は"この手を離し、君の命を君に返そう"と言うし、
返された命を生き尽くした若微には徐浜が"私が連れ去る、航海に出よう"と言う。
とにかく若微の想いが遂げられて幸せならそれで良かったです。
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