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大明皇妃 -Empress of the Ming-のtanziのレビュー・感想・評価

大明皇妃 -Empress of the Ming-(2018年製作のドラマ)
4.2
2周目見終わりました。
これもまた2回目以降が面白いタイプでした。

脚本演出美術衣装俳優の演技、全てが高クオリティで見応えのある大河ドラマ。

これは四代にもわたる壮大なホームドラマなんですよね、朱家の。
皇帝は朱家の人間であれば誰でもいい、天下と言ったところで国家は一つの家の物。

そんな家父長制と絶対王政の狭間で心と身を削る女たち、姉妹の(子育ても含めた)物語でもある。

初見は、前半のシリアスの中にユーモアが散りばめられた構成の見事さに対して史実にオミットしてゆく後半がとにかく苦しかったのですが、2度目はその後半が非常に面白かった。

簒奪って皇帝代わってハイ終わりでなく、多くの家族を根絶やしにした上、自らの親族を信じ重用するどころか常に一番の敵認定し事実狙われるという地獄が絶え間なく続くんやね。

そら絶対イエスマンの宦官がのさばるわ。

若微のタン・ウェイ(彼女の低音ヴォイスと台詞回しには痺れる)はもちろん、キャスティングが大変よろしく、重鎮ベテラン脇役若手に至るまで本当に素晴らしい。
後半、特に光ったのが祁鎮役のRayと祁鈺役の李昕亮。

中華ドラマの特徴のひとつは、大陸では映画ドラマの制作数が桁違いに多く才能豊かな人材が豊富だし、真剣にキャスティングできる余地がまだある点。

そんななか目を見張るのが、ドラマ初出演とかいう若手やアイドル達が実は大変な実力を持っており、それが(役者に)忖度しないキャラ設定でベテラン俳優達との凄まじいケミストリーを生み出す瞬間なんだよね。
このドラマもまさにそう。

隅々まで見応えあるドラマでした。
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