茶一郎

アメリカン・クライム・ストーリー / O・J・シンプソン事件の茶一郎のレビュー・感想・評価

4.7
【記録】
 いわゆる「O・J・シンプソン事件」を題材にしたドラマ。リアルタイムでは追いかけられておらず仰天ニュース等で軽く事の顛末は知っていた状態で鑑賞しましたが、これが結末が分かっていても凄まじく面白い。
 モノマネを遥かに超えた役者陣のなりきりと、質の高い演技、そして同じくライアン・マーフィが作った『アメリカン・ホラー・ストーリー』の虚仮威し(それが面白いシリーズですが)演出やトンデモなクリフハンガーが嘘だったみたいな重厚な演出、全てがドラマを超えた一つの劇映画のようなクオリティで、クライム劇と法廷劇を支えています。
 何より、改めて20年前の事件をドナルド・トランプの時代に合わせて再構築することで、「今」の人種マイノリティに対する問題を切り込んだ「今」作られるべくドラマに出来上がっていことが素晴らしい。それは同時に、20年前の問題がまだ解決されていないことを示唆してしまっているのだが。
茶一郎

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