一匹狼のスーパードクター・大門未知子が活躍する痛快医療ドラマ。毎シーズン楽しみにしているドラマのひとつ。
本作は2年ぶり、10年目の放送。
所謂水戸黄門的なお決まりパターンを楽しむドラマだけど、今回はコロナ禍の状況下も取り入れ、従来とはひと味違った展開に。中でも大門先生の超えられない壁を描いた回はビターで心に残った。エンタメとしての面白さだけでなく、作品としての幅を見せてくれたシーズンだったと思う。
本作は看護師の大間(今田美桜)の存在感が増していたのも印象的だった。この辺り、コロナ禍で再認識された看護師の役割の大きさを反映してのものではないかと思う。
大門先生と加地先生ら既存メンバーとの絆が強まった印象なのも、困難を乗り越えるには結束が必要という世相からかなと。
その他、ゲストに関しても過去レギュラーだった田中圭、ナースXとして松下奈緒(強烈な存在感!)、城之内先生の友人として瀬戸朝香など豪華な布陣で、毎回の楽しみのひとつだった。
しかし、何と言っても本作の最大の見所は野村萬斎演ずる感染症研究の第一人者・蜂須賀であった。蛭間との対立が軸だった中盤まではそれほどでもなかったが、終盤にかけてどんどん増していく存在感(彼のキャラクターもまた、コロナ禍で奮闘する医師を反映したものだ)。人物像の奥行きとそこはかとない愛嬌は野村萬斎ゆえだろう。
とりわけ蜂須賀・大門の掛け合いは微笑ましく、かつ対峙する姿は熱く(大門先生あまりにカッコ良すぎて過ぎて惚れてまう!)、最終回は手に汗握る展開にハラハラしながら見守った。
終盤に蜂須賀ファンになった人が多いようだが、ご多分に漏れず自分もすっかり好きになっていた。
彼にはいずれまた登場して欲しい。