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35歳の少女のmaroのレビュー・感想・評価

35歳の少女(2020年製作のドラマ)
3.5
脚本が遊川和彦さんということで、『過保護のカホコ』や『同期のサクラ』的なのを想像していたら、これまただいぶ方向性の違うドラマだった。

10歳のときに不慮の事故で寝たきりとなって、25年後に目覚めた時岡望美(柴咲コウ)が見たものは、、、っていう話で、設定自体はファンタジー感漂うけど、中身は家族の絆を描いた作品だった。

物語の序盤は、見た目は大人、中身は子供の望美が、現代社会に慣れていくのがメインだったけど、10歳の子供を演じる柴咲コウの演技がよかったね。
そして、その口から出る子供がゆえの素直さときたら。
大人だったら誤魔化しそうなところを決して誤魔化さない。
おかしいと思ったことは必ず口にする。

子供のときにはみんな持っていたはずの素直な心を、大人になっても持ち合わせているっていうギャップを楽しむドラマかとも思ったんだけど、それだけじゃなかった。

望美が寝たきりになったことで、家族はバラバラになり、幸せな家庭生活は崩壊、それによって愛だけでなく、夢や希望、自信なんかもなくなっていたんだけど、望美が取り戻すんだよ、みんなのそれを。

とにかく、彼女はシンプルだった。
「やりたいことがあるのにどうしてやらないの?」
「どうして無理だと思うの?」
綺麗ごとかもしれないけど、大人になっていろんな理由をつけてやらなくなったことを、
10歳の視点を持っていたがゆえに、嫌味なく言える。
大人に対するメッセージのようにも受け取れたなー。
みんな子供のときにはあんなに楽しそうに生きてて、自分の能力に限界なんて決めずに、やりたいことをやっていたはずなのに、どうしてそれを失くしてしまったの?って。

ただ、最終回で急にみんなやる気出して、順調に夢を叶え始めるのは唐突な気もしたけど。
今村達也(竜星涼)とかずっと引きこもってたのに、
いきなりあんな明るくなるか?って。

それにしても、柴咲コウと坂口健太郎が同級生ってのは、やっぱりちょっと違和感あるなってずっと思ってた(笑)
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