maro

おカネの切れ目が恋のはじまりのmaroのレビュー・感想・評価

3.5
清貧女子と浪費男子のラブコメってことだったけど、お金に関する意識が高まっている昨今、恋愛の中にお金の使い方を入れ込むという斬新な設定がよかった。

お金にまつわる話を面白おかしく描きながらも、お金ときちんと向き合っていくことを提示しているのが印象的。

で、その設定も秀逸なんだけど、やっぱりこのドラマはキャラクターが魅力的なのが一番好きなポイントだったなー。
九鬼玲子(松岡茉優)は、お金の使い方にうるさいと思いきや、実は貢ぎ癖あるというオチ。
猿渡慶太(三浦春馬)は、親が金持ちなのをいいことに尋常じゃない浪費をするネイティブ陽キャみたいな人だけど、まわりを笑顔にする才能にあふれているというギャップ。

最終回では、実は玲子も昔、慶太のようにお金を使いまくっていたという事実が発覚するんだけど、そのさらなる意外性に、このドラマにおける人物設定のうまさが感じられた。

最後に玲子が言ってた「お金がなくても幸せ」ってのは、ウルグアイのムヒカ元大統領に通ずるところがある気もする。

それだけに、ここで終わってしまったのが非常に残念。
お金の使い方が正反対の2人の距離が今後どうやって近づいていくのか、玲子がずっと追いかけていた早乙女健(三浦翔平)もウソがバレて今度どういう方向に進んでいくのか、とても気になるところだった。

もともと途中までの放送っていうのは知っていたけど、てっきり第5話までは全部撮り終えていたと思っていたので、最終回で三浦春馬が冒頭以外一度も出ていないことの事情を察して悲しくなったよ。。。
『TWO WEEKS』のようにシリアスな役も、
今作のようにコメディな役もこなせる素晴らしい役者さんでした。
ご冥福をお祈り申し上げます。
maro

maro