よねちゃん

セイレーンの懺悔のよねちゃんのレビュー・感想・評価

セイレーンの懺悔(2020年製作のドラマ)
3.8
第3話まででほぼ先を見通し、被疑者特定に至り解決するかと思いきや、最終話でよもやのどんでん返しの展開。作品中TVワイドショーの世界を垣間見るようなシーンが多分に多いにも関わらず、中山七里の原作と篠崎絵里子の脚本とがっぷり四つに組んで、決して最後まで飽きさせることなく、核心の被疑者特定の筋書きだけに重きを置かず、更に突っ込んで家族や親子関係を抉り出す重厚で骨太な作品に仕上がっており、重層的に絡み合う中山七里作品の真骨頂と言うべき作風をもたらしていて、実に面白い。
新木優子の演技もさることながら、池内博之と池田成志とのぶつかりも見応えあり。脇を固めるコメディエンヌの濱田マリ、そして高嶋政伸のよくあるドラマの役柄と一味二味も異なるシリアスな演技が全編に渡って存在感を発揮し、作品に大いなる深みと奥行きをもたらしている。
あと個人的には、ラストまで新木優子と池内博之の絡みをもっと観てみたかった。
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