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カムカムエヴリバディのakariのレビュー・感想・評価

カムカムエヴリバディ(2021年製作のドラマ)
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とある家族の100年の物語。安子、るい、ひなた、三人の人生の重なりに本当に感動しました。素晴らしかったです。「日向の道を見つけて歩いていこうね、るい」「ひなたが、日向の道を歩けますように」朝ドラっていいな。どんなに辛くても、笑顔で励ましてくれる誰かがきっとそばにいると信じさせてくれます。大月家みたいに慎ましく幸せな家庭を築きたいです。日本の朝に乾杯じゃ〜!
「アンコ、どねえしても困ったら帰ってくりゃええ。そん時はワシがおめえをもろうてやらあ」虹郎、本当に良い役者…。雉真家を不安げに出ていく安子を、冗談めかして励ましてくれる勇ちゃんが素敵でした。安子のことが好きなのに、安子を諦めようとした稔を殴ってくれたのも優しかったです。勇ちゃん…あんたは絶対幸せにならないかん…と思っていたので、るいと再会でき、足袋も野球も繋がったラストで私も勇ちゃんと一緒に泣きました。幼少期も腹から声が出ていて好きでした。
小しずとひさの死から立ち直れない金太の姿は辛くて胸が苦しくてたまりませんでした。安子が作った餡子で菓子への思いを取り戻すのが良かったです。戦後で落ち込むみんながおはぎを食べたら、その時間だけは笑顔が戻りました。算太に似た少年が商いを楽しみ、たちばなに戻ってきてくれたのは泣きました。さらに最後の最後にも、この時の少年が泣かせてくれました。
戦争が酷くなったから結ばれることができた安子と稔。嬉しいのに辛いです。短いけれど幸せだった二人の時間にはときめきました。稔さんをるいに会わせてあげたかった。安子の無念が痛いほど伝わりました。稔が死んでしまった後も、安子の中に英会話や自転車として稔さんとの思い出が息づいているところに感動しました。
「クリスマスに、算太がやってきました」粋か!戻ってきた算太が、父母の死に悲しむシーンで泣きました。会って謝りたかったよね。美都里さんの優しさにほっとしました。そして、「I hate you」が辛すぎて辛すぎて。私まで頭が真っ白になりました。外国人と抱きしめあっていたお母さんを、外国の言葉で攻撃するのが残酷でした。
るい編。お母さんに捨てられたと思い、彼女は元気を無くしていました。るいが額の傷を隠しながら生きているのを知ったら、安子は本当に悲しいだろうなと思いました。オダギリジョーがずるすぎる。一目見てもう好き。声が好きです。宇宙人だと思っていた錠一郎の生活を想像出来るようになったるいの変化に涙が出そうでした。「そうかあ、会いたいんやなあ。お母さんに」
錠一郎のあまりに真っ直ぐな告白にド肝抜かれました。「僕はこの先もずっとサッチモちゃんと一緒にいたい。一緒に生きていきたい。僕はサッチモちゃんのことが好きなんや」ジャズが繋ぐ、二人のお洒落な雰囲気が好きすぎました。図らずも、るいのプロポーズの言葉が安子と同じなのが良かったです。
ベリー、トミー、木暮さんのやり取りが面白くて笑いました。ベリーが本当に頼りになりました。ベリーやトミーと過ごした時間は、紛れもなくるいの青春でした。大阪時代を見返してみると、るいの話し方に年齢を感じて、深津絵里さんの演技力の高さに驚きました。
たちばなの餡子、復活!泣いちゃう。あと、けちえもん。錠一郎は完全にヒモなんだけれど心底良いお父ちゃんすぎて、るいがこの人と結婚できて本当に良かったなという気持ちになりました。いつも家にいて必ず遊んでくれるお父ちゃん、すごく素敵だと思います。るいが憧れていた温かな家庭を築けて本当に良かったです。ひなたが友達に愛されて、嬉しそうなるいに嬉しくなりました。幸せな大月家を見ていると、同時に安子の悲しい運命も思い出されました。6時45分からの英語講座のためにひなたを起こす錠一郎は、叶わなかった“るいを起こす稔”の姿と重なりました。感動しました。稔と安子が望んだ時代に、少し近づいたのかなと思えました。
ミス条映コンテストのひなたのお芝居が面白すぎてゲラゲラ笑いました。自分で斬っておいて相手を心配するのが最高でした。ひなたとるいが伴虚無蔵のポスターを見てびっくりするシーンが可愛すぎました。川栄李奈ちゃん可愛い〜。川栄ちゃんにしかない可愛さがあります。おいでやす小田も良い味出していました。錠一郎とのやり取りに笑いました。五十嵐がめっちゃアホで可愛かったです。大月に回転焼きを食べに通う五十嵐が、たちばなに通う稔と重なって見えました。
家族の中心にあったものがラジオからテレビに。それを囲む家族の笑顔は変わらない。お母ちゃんになったるいの普通さがとても良かったです。るいとひなたの共通点になった風鈴も良いです。同じ屋根の下、二つの風鈴が音を奏でていました。別れたひなたと五十嵐をそれぞれ慰める、るいと錠一郎が良すぎて涙が出ました。五十嵐とひなたは結婚しなかったけれど、五十嵐は大月家にとって息子同然だったのだと感じました。これからあなたが選ぶ道が、ひなたの道。「どこで何をして生きようと、お前が鍛錬し、培い、身につけたものはお前のもの。決して奪われることのないもの。一生の宝とせよ」どこまでも誰よりも侍な虚無さんがかっこよかったです。
最期に京都に姿を現した算太おじさんのダンスで号泣しました。橘家の明るい回想シーンが泣けてしょうがないです。おもちゃのピアノで再び楽しそうに音楽に触れた錠一郎にも感動しました。
そして、岡山へ帰ってきたるい。るいが初めて話した言葉である「カムカムエヴリバディ」をるいがひなたと歌うのがとても良かったです。時間が流れたのを感じました。
全てが怒涛に回収されていく岡山でのコンサート、泣きに泣きました。クリーニング屋のおばちゃん、木暮さん……。今は、いつの間にか過去になっていました。トミーの計らいでジョーのトランペットをまた聞くことができました。そして、るいと安子の再会。会えたのはひなたがいたからで、それは安子、るいが歩んできた道があったからでした。三世代ヒロインの繋がりに感動しました。「I love you」額の傷は、もうるいにとって隠すものではありませんでした。安子が一番嬉しかったのは、稔の夢が叶ったことというのが本当に納得でした。「どこの国とも自由に行き来できる。どこの国の音楽でも自由に聞ける。自由に演奏できる。僕らの子どもにはそんな世界を生きてほしい。日向の道を歩いてほしい」ハッピーすぎるほどのハッピーエンドで本当に良かったです。まさかの城田優の正体に最後の最後まで泣けました。英語の勉強をコツコツ頑張って、小さい頃のひなたの悔いが晴れたのが良かったです。

“聞こえる?あの楽しげな音
あれは幸せな君の足音
日向の道を歩けば
きっと人生は輝くよ”
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