サムカワ

新聞記者のサムカワのレビュー・感想・評価

新聞記者(2021年製作のドラマ)
5.0
1日で一気に観ました。

映画版がパイロット版だったかに思えるくらい、より踏み込んでより洗練された凄まじいドラマだなと感じました。

本当に恥ずかしながら、僕自身、政治に関しては関心はあってもよくは知らない、新聞もほぼ読んだことないし、テレビもしょーもないと思っていて(実際テレビの情報番組のADをやっていたので尚更)

だからこそ、横浜流星さん演じる亮くんの変化にものすごく心を動かされました。
そして、本作で扱われている事件のことをよくわかっていない自分が本当に惨めに思えてきて、日本という国のヤバさと、それに無関心という"加担"をしてしまっている自分にも気付かされました。

その亮くんの就活物語としても面白くて
「内定もらったよ…」と実家に電話するシーンで嗚咽レベルの号泣。そしてここでドラマ終わってくれてもいいんだよ!と思っていたのですが、そこから綾野剛さん演じる村上という人の話にフィーチャーしてゆき、もう感情が保たなかったです…。
村上がみるみる痩せていってゆく姿が辛すぎて……。

俳優さん全員素晴らしく、とくにユースケ・サンタマリアさんと田中哲司さんの恐ろしさには見ていて全身がこわばりました。。この手の映画で初めて「怖くて泣く」という体験をしましたね……。

これ転職前のメンタルが常にどこか異常だったときに見ていたら、心底立ち直れないくらい食らってしまっただろうな…と思う描写も多く、それがこの作品の素晴らしさであると同時に鑑賞する際のコンディションは大事だなと思いました。


昭和を懐かしむだけのネトフリジャパンとナメていたのですが、こんなことができるのか…ととてつもない感動を覚えました。
サムカワ

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