長内那由多

テッド・ラッソ 破天荒コーチがゆく シーズン2の長内那由多のレビュー・感想・評価

5.0
S2開始。新たな物語が待ち遠しい作品もあれば、こちらはただただ大好きなキャラクター(座組)と再会したいと思える作品。このドラマがある間は寝る前の30分に見て、心地よい気分で1日を終わるのが僕のルーティン。

E3
ジェイミー復帰のため憎まれ役を買って出たラッソは鬼コーチ“レッド・ラッソ”になるが…。
見終えてニュースをつけるとイチローのワークショップの様子が。
「声を出し過ぎ。身体がわちゃわちゃ動いてしまってる」
「8強に行くチームはここのプレーで声を出さない」
論理的!

E4
クリスマス回。子供と離れて暮らすバツイチのテッドは『素晴らしき哉、人生』を見ていて…S1E7でも描かれた、ほとんど聖人のようなテッドの底知れない孤独。彼の利他心が時に自身の幸せを犠牲にしてしまう。サダイキスとワディンガムのツートップが心地良い好編。

E5
セルフブランディングについて。僕も苦手なんだよなぁ。自分の作品を売り込むのがホントに下手。どちらかと言うとロイみたいな性格だと思う。

E8“Man City”はベスト回。
Dr.シャロン(今シーズンのMVPとも言えるサラ・ナイルズ)から始まり、強敵マンCとの準決勝に挑むAFCリッチモンドの面々が、互いに己の弱さをさらけ出す“男”のドラマ。実はジェイミーこそが本作で一番大きな成長を遂げているキャラクターなのだ。

E10まで。
今シーズン特にユニークなのはレベッカのエピソードが完全に独立している事で、彼女が男たちのドラマに奉仕していないのがいい。楽天的で、kindnessで、時に弱さを見せる男たちが敬意を払うべき存在としてビッグボスの彼女がある。

今シーズンはジュノー・テンプル演じるキーリーの見せ場が少ないように感じていたが、E11は彼女のパート。危うさのあった子役時代から随分と面影が変わり、彼女の見せる屈託のなさにこちらも笑みがこぼれる。

完走。
大団円のウイニングゴールの裏で、ネイトの離反に決して完璧な正解がない指導術の限界を垣間見る(対になるのが円満に分かれるレベッカもキーリーの友情)。
そして僕はテッドの孤独をリーダー論で受け取ってしまっていたので、スポーツ界のメンタルヘルス問題である事にここでようやく気が付いた。
長内那由多

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