セサミオイル

クイーンズ・ギャンビットのセサミオイルのネタバレレビュー・内容・結末

クイーンズ・ギャンビット(2020年製作のドラマ)
4.1

このレビューはネタバレを含みます

Netflixオリジナルドラマ。

1話開始数分で完全に掴まれた。
開始数分が濃い。

爆発もカーチェイスもないんだけどすごい引き込まれる。プロローグも無しに突然始まる。まだ画面は真っ暗。ドアをノックする音「マドモワゼル?」とりあえずここはフランスで声の主はボーイかなと推測される。

暗闇で女の子がモゾモゾしてて、暗闇からガタガタと出てきて控えめにタイトルが出る。慌ててカーテンを開けたら光が僅かに差し込み「パリス1967」と出る。カーテンが全開になるとゴージャスなアールデコの内装があらわになる。短い時間の中に闇・光といった振り幅の大きなものを見せるのは今のJ-POPの歌詞の書き方と同じだ。この暗闇→光までのテンポも今的というかリズミカルと言うほどあざとくなくて、もっさりもしてなくて、安定したリズム感で淡々と進む感じ。
光に覆われて主人公の姿もはっきりと映る。
少しバランスが崩れコケティッシュな魅力のある美人。慌てて着替えた割にヘアースタイルから洋服まで完璧。部屋からエレベーターに移動、階下に行くと待ち受けてた何人ものカメラマンが一斉にフラッシュを焚く。ここでさらに強い光が画面を覆い、こちらも驚き何事かと思う。そこから数歩進んで紳士と対峙。それを見守る多くの男たちが紳士と女の子の注目度を物語る。
ここまでで開始から2分30秒。
いやいやいや見事な掴み。すごい。
これで第一話がまだ始まったばかりである。
訳の分からない巻き込まれ型の冒頭から一転してこの先からは時間を遡り丁寧なプロローグに入り本格的に1話が始まる。
この1話は物語全体で見たら起承転結の起の部分に当たるんだけど、この起の部分の中に起承転位まであって、2話を見せようとする引きがある。
こんな引きあるのかーー!?とのけぞった(笑)
凄い引き。
1話がこれだけ面白かったらこれ途中から失速あるんじゃないかと心配してたが全くそんな事はなく綺麗に最終回に着地した。
これは見事だ。

全体的に漫画っぽくて、例えば登場人物たちのルックスが皆クセがあって覚えやすかったりとか。あ、これネバーランドみたい、とかハチワンとか昴!?とかいくつかの漫画を思わせるシーンもある。漫画好きな人はすごか見易いんではないだろうか。