銀幕ではないが短評(#1)
「クイーンズ・ギャンビット」
2020年、アメリカ。全7話
なにげない一杯の酒が呼び水となる。だから彼女もよほど気をつけないと。
Filmarksはわたしにとっては、そもそも映画だいすき小僧&小娘の運動場だという理解があって、ドラマサイドに介入すること、つまり妻のようにNeiflixの韓国ドラマをじゅうたん爆撃のように観たりハマったりすることは、いうなればダサい(スイマセン)という思い込みを強くもっています。自由の利く連ドラの長さでカバーするなよ、せいぜい2時間くらいの尺の剛速球映画を一発勝負でビシッと決めろよ、と。というかほんとうは フォースのドラマサイドにもし捕まると、人生で時間がいくらあっても足りないと思うから。コーヒー屋さんにもボーリングにもカラオケにも行きたいもので。
といいつつ、わたしは芯がブレブレな人間なので、このドラマだけは例外だとして例外だとして例外だとして全7話を観ました(これが呼び水にならなければよいのですが)。主役の女の子が容貌魁偉(むかしのことばでいうとファニーフェイス)なのと、チェスを扱っているのにひかれたのです。
チェスはたまにやります。おもに息子たちと、あとはコンピュータと(便利な世の中ですね)。世界的に競技人口がとんでもなく多いボードゲームなのに、なぜか日本では人気がないですね。“クインズ・ギャンビット”はオープニング(序盤)の陣形のひとつ、と手元のチェスの教習本にありますが、その詳細解説まで目をとおしたことがありません。ようするに遊びなんだからあまり真剣にならなくていいんですよ。コンピュータの強さを抑えておいて、勝った勝ったとよろこぶのがストレス解消になるのです。
いままででいちばんストレスを解消したチェスゲームは、カリブ海一週間クルーズで 船の甲板に大きく線をひいて塗り分けて見立てられた盤に、ヒザまである大きな駒で戦って 息子をねじ伏せた試合ですね。地上の楽園(地上ではないのですが)だったなあ。
まあ とてもすてきなドラマですね。衣装、音楽、カメラ、自動車、ベスの目 の順によかったなあ。