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クイーンズ・ギャンビットのshihoのレビュー・感想・評価

クイーンズ・ギャンビット(2020年製作のドラマ)
4.0
ジャケの印象から勝手におにゃのこ同士が泥沼チェス対決するドラマだと思っていたら、天才少女が男性圧倒的多数のチェス界@ 冷戦時代を突き進んでいくお話だった。

少女漫画というよりは、主人公に感情移入しづらい少年漫画のような味わい。
主人公が生まれながらの圧倒的頭脳強者な上、感情表現が薄いクールな子なので「今どう思ってるんだろう」的な想像がなんとなくしか出来なくてそこが良くも悪くもさっぱりしていた。

チェスは分からないけど対局は見ているだけでワクワクするし、チェス盤と駒と魅力的な女の子!という画だけでオシャレ!
大会は世界各地のゴージャスなホテルでやるので、その会場を見るのも楽しかった!

主人公のチェスの勉強にストイックで非常に負けん気が強い反面、育った環境+生まれ持った気質による薬物依存・アルコール依存気味な面が足を引っ張り、ヤキモキしながらも勝負の行方が気になりハイペースで見終えた。

本人に可愛げがないわりに周囲の人間に恵まれ過ぎている感はあったが、自分の駒を高速で進めて組んだ手の上に顎を載せて相手をジッとみるアニャ・テイラー=ジョイがとても魅力的だったので許せた。

全体的に抑えた演出の中で、繰り返される「天井のチェス盤」と「母の言葉」が印象的。対戦相手達もキャラクターも立っていて良かった。「メイズランナー」で好きだったトーマス・サングスターが沢山出ていて嬉しかった。やっぱり演技が魅力的だな。

ネットもパソコンも、もちろんAIもない時代、非常にアナログな世界で人々が世界屈指のチェス対決を真剣に見守る図はなんだか良かった。
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