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関ヶ原のShoMのレビュー・感想・評価

関ヶ原(1981年製作のドラマ)
4.5
「ドラマのTBS」の威信を賭けた傑作。一役一役隙のない適材適所なキャスティングとその絶妙なバランス、「目が見えぬ同士のよしみじゃ。この命くれてやる、受け取れい」を筆頭に名台詞・名演のオンパレードを堪能。石坂浩二の終始客観的でシニカルなナレーションも良い。

秘書室長=石田三成VS副社長=徳川家康の戦い。合戦メインの時代劇というよりは、頭脳戦をメインにした大組織の後継者を巡るポリティカル・サスペンス。

加藤剛の石田三成は生真面目さゆえ融通のきかなさを強調した人物造形。森繁久彌の家康、三國連太郎の本多正信の海千山千さは絶品。三船敏郎の島左近が横にいると、歴史的事実を知っているのに西軍が勝つのではと思ってしまう。

三成を疎うタカ派の武将に丹波哲郎と藤岡弘というキャスティングも見事。思慮浅く家康の思い通りに動いてしまう丹波哲郎の福島正則はチャーミング。

芦田伸介に神山繁、藤木悠に矢崎滋、そして大滝秀治、笠智衆とピンポイント出演の面々も凄い。

第二夜での狸爺・家康の別の面を見せる鳥居元忠とのやり取り、純愛サイコパス細川忠興、島左近が日野宿で家康を狙うサスペンスフルな場面が良い。

そしてラストの家康の三成評に感嘆する。
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