番組表で偶然見つけたタイトルで最初は気になったからちょいと覗くつもりのはずだったんだが見事に圧倒された。2話、3話を録画ミスで見れてないがそれでも圧倒的。とても30分の内容とは思えない。もう一回再放送して欲しい。というか何で録画消したんだ…原作も読みたい。
内容は倫理教師・高柳が倫理の授業を選択した生徒達が抱える様々な問題をその子達と一緒に向き合い解決していくというもので、これだけだと日本のあるある教師ドラマと何も変わらない。しかし高柳はそのあるある教師ドラマのヒーロー像とは真逆の方向を行くキャラクターでここが実に面白い。高柳という人間は終始暗い。ほぼ無表情で淡々とした口調で話す。そして喫煙者。一見人を寄せ付けないようなオーラを纏っているように見えるが生徒とは真剣に向き合う。所謂彼はダークヒーローだ。
生徒が抱える問題によっては解決できないものがある。その時の高柳に襲いかかる無力感はとても見ていられないほど苦しい。どんなに何が正しいのか伝えても一瞬の激情には勝てない、とボヤくほどだ。それでも彼は真摯に生徒と共に問題に立ち向かう。問題を解決するだけには留まらず教師の葛藤を描く。ここまでしてきた日本のドラマがかつてあったのだろうか。
見ていて自分の学生生活をふと思い返した。決めつけが当たり前の高校教師、周りの人間関係諸々。思い出したくないことも一瞬記憶に蘇ることもあった。嫌なことは大体時間が解決してくれるが、それでも"大体"だ。時間という解決策が有効じゃないことだってある。そういうものに対してどう対処すべきなのか。最終回で言っている通り考え続けるしかない。答えなんて出ないかもしれないが考えることなしに何事も起きない。このドラマ通じて改めて学ばせていただきました。
高柳を演じた山田裕貴は今回初めて見たのだが普通に演技が素晴らしかった。第四の壁破り的演出も新鮮で良かった。
