私は寺内監督の『フェイクドキュメンタリー「Q」』が大好きだ。愛してると言っても過言ではない。だから本作はちょっと物足りない。いや、足りないのではなく蛇足が多いと感じたのだ。
はっきり言ってしまえば、それはスタッフのお芝居のことだ。物語を盛り上げるため、あるいは『コワすぎ!』の路線を狙っていたのかもしれないが、私にとっては不要なものであった。
もちろん工藤さんと市川さんの登場(マルチバース!)は別だ。拍手喝采。キャラもまんまだった笑
演技力をどうこう言うつもりはまったくない。みなさんは役者ではないし。私が残念だったのは、彼らの芝居が恐怖シーンに水を挿した、と感じたからだ。念写、呪い、謎の霊能力、心霊ドキュメントのリアルなど、せっかく怖くておもしろいのに、過剰な演技・演出が怖さを薄めてしまっているのだ。
なので前作より少しだけ評価を下げた。
とはいえ何度も言うのだが、物語は本当におもしろかった。わたしの大好きなフェイクドキュメント。終幕も鮮やか。謎を残したままだがそれはそれでいい。
3作目の『EYE』の評判も上々だ。監督は変わってしまったが、最後まで見届けようと思う。