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TOKYO VICEのmasatのレビュー・感想・評価

TOKYO VICE(2022年製作のドラマ)
1.5
あ?マイアミじゃねぇのか?
と老狼は言った。か、どうかは解らないが、御歳80の男は、7年近く映画を撮っていなかったので、本企画へと飛び付いた。
そして、まるでヤル気のない第一話を放った。

もともと、長きに渡りテレビで鳴らした“手際良い”腕前、その手腕を期待したが、テレビのライトさと映画の重さの混濁した、半端な58分。

まるで新鮮味のない、中途半端な“TOKYO”と、ふらつく主人公“青い眼のSAMURAI”、それを取り巻く、ヤケに力んだJapaneseが、バラバラとクロスしない。

ただ老狼は、Japaneseの顔を面白がっているのは解る。ケン・ワタナベ(&豊原功補)は、自分の映りに涙した事だろう。
“田舎っぺ”で反省中の伊藤英明だけは、脂が乗り切っている威光を自力で放っていた。

90年代半ば、50も半ばに差し掛かった頃、突如として脚光を浴びた老狼。その固く重い才気、肉体に対する演出は、90年代に一際目立ち、“演じることをしたい”実力派俳優たちを惹きつけた。
あのリドリー・スコットもがリスペクトした才気は、逆に、“ジパング”舞台の犯罪劇としては、ライバルであるリドリー卿には遠く及ばなかった。
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