きゃんちょめ

ロード・オブ・ザ・リング:力の指輪 シーズン1のきゃんちょめのレビュー・感想・評価

-
【指輪物語のノート】

『ホビット』三部作から『ロードオブザリング』三部作までは、たかだか数十年の物語でしかない。そもそも指輪物語はどういう時系列なのか。まず、一番の大枠から書くと、『ホビット』三部作から『ロードオブザリング』三部作までというのは、中つ国の「太陽の時代(その前はたしか神々の時代)」の第3期の終わりを描いた作品で、その第3期だけで3000年間ある。それで、『ロード・オブ・ザ・リング:力の指輪』で描かれているのはその前の話だから、第2期の話である。この第2期は3400年間ある。ではこの第2期というのはどういう時代だったのか。簡単に言うと冥王サウロンがまだ肉体を持っていた時代である。そもそも中つ国の第1期の終わりに、冥王モルゴスが滅ぼされる。だから第2期というのは要するに、その冥王モルゴスの部下であったサウロンが逃げ延びて、潜伏していた時代なのである。それで、第2期においては、モルゴス討伐に参加した褒美として、ヌメノールという中つ国の西側にある巨大な島を人間族の3つの家系がもらい、そこで王国を作った人間たちが繁栄している。第2期の前半にサウロンはエルフたちをそそのかして、エルフの3つの指輪と、ドワーフの7つの指輪と、人間の9つの指輪をエルフに作らせる。そして密かに、これらの全ての指輪を支配できる1つの指輪、つまり力の指輪をサウロンは作る。そしてこの第2期のサウロンは肉体を持っているのだ。第3期になると、サウロンは炎の目玉だけになってしまうので、ここは対比ポイントなのである。そして、第2期は「最後の同盟の戦い」でサウロンが滅びて終わる。第3期は、そのサウロンが滅びて残されてしまった「力の指輪」をゴラムが拾い、それをビルボ・バギンズが奪い、さらにそれを託されたフロド・バギンズが山の火口に捨てるというイベントが起きる。このイベントを描いたのが、『ホビット』三部作から『ロードオブザリング』三部作の数十年なのである。そして最後に、アラゴルン(イケメンのヴィゴ・モーテンセンが演じた)が王になるのだ。中つ国の詳しい歴史については、原作者J・R・Rトールキンの三男でトールキンの作品世界の研究者であったクリストファー・トールキンが1983年から1996年に出版した12巻本の『The History of Middle-earth』という本に書いてある。
きゃんちょめ

きゃんちょめ