ノラネコの呑んで観るシネマ

日本沈没ー希望のひとーのノラネコの呑んで観るシネマのレビュー・感想・評価

日本沈没ー希望のひとー(2021年製作のドラマ)
3.8
完走。
最初のうちはどうなることかと思ったが、途中から急速に良くなり、最終的には現代性も盛り込んだ優れたリメイクとなった。
地上波ドラマでは大スペクタクルには出来ないのは分かっていたので、「シン・ゴジラ」をベンチマークした政治ドラマにしたのは正解。
日本が沈没したら?というシミュレーションとして、リアリティもあったし、とても面白く観た。
最終回は地上波ドラマとしては、マックスレベルの映像も見せてくれたし。
しかし、この作品も中途半端に日本を残したのは残念。
小松左京の原作は、日本という土地が無くなっても、日本人は日本人たりえるのか?という民族の根源に関する問いがベースにあった。
平成以降のリメイクでは、どの作品も日本の一部が残ったことで、シミュレーションにはなっても、この部分が弱くなってしまった。
この辺りはやっぱ国が丸ごと滅びるかもしれないという感覚を、戦争で生で知ってる世代との違いなんだろうな。
北海道+青森の上の方+九州・沖縄が残れば、何気に韓国+台湾くらいの面積があるから、7000万人くらい、無理すれば全人口が戻れちゃう。
これでは、日本列島ロストにはならない。
次にどこかがリメイクする時は、容赦なく全部沈めていただきたい。
そして小松左京が構想していたという、世界を彷徨う日本人を描く続編も見せて欲しい。