えぇ、心配しましたよ。
初回から、香川照之のやりすぎ博士等々の演出。
そして、日本ドラマあるあるのしょぼしょぼCG(しかも夢なんかーい)
日本のドラマでは、”2012”みたいなCGは不可能だし、その予算もないです。
それでも、この題材にあえて挑戦するってことは何か秘策があるのか?と興味が湧き、結局最終話まで視聴しました。
1話目にちょっとだけ災害シーンがありましたが、基本的にはディザスターものからパニックシーンを抜き取って、震災が起こる直前までのジリジリ感を描いた作品でしたね。
そりゃ震災パニックシーンを真面目にやっていたら、クッソしょぼいCGだらけで冷めるので、官僚と政府の政治的な対応をメインの焦点に絞ってるところは、それはそれで英断だなぁ、とも思いました。役職説明のテロップがちょっとシンゴジラぽかったので、ちょっと狙ってるかなぁと。
以下、ちょっとだけ6話あたりのストーリーに言及するので、未見の状態でいきたいら方は飛ばしてください。
半年以内に日本は沈没する。だから、各国への移民計画を進め、移民先はランダムに決める!とか、移民受け入れの報償として日本企業を交渉材料にする!みたいなとこは結構おもしろみを感じました。
“日本という国土を無くし、散り散りになったとしても我々は日本人であり続けれるのか?”っていう問いには、考えるところがありますね。現実に多いのは、災害というよりもシリアとか旧ユーゴの戦争とかでの難民もこれにあたるかと思いますが。
途中、アメリカと中国のどっちをメインの受け入れ国にするかで揉め、最終的に中国に決まりそうになった途端、総理(仲村トオル)が「中国はダメらァッッッッ!!!」って発狂するシーンで爆笑しました。
この作品は、Netflixで全世界配信なのですが、ほんとうに大丈夫なのでしょうか?
“空母いぶき”ではちゃんと某国扱いでしたよ!
(ちな本作では、アメリカの高官がパックンの時点でリアリティラインは崩壊してるので安心してください)
実際、移民抽選で「あなたはエジプトです」とか言われたら、どんな気持ちになるか想像したらおもしろい(笑
(パロディ作品の”日本以外沈没”では、逆にうまい棒が5000円になったりしてた記憶あります)
あと、移民計画の時に触れられていた
「刑務所の人間はどうしますか?」も掘り下げてけばこれ面白いのになぁ、と思いました。これ実際どうするんですかね(笑
そして、ラスト30分で沈没が始まるのですが、主人公達が乗ってる飛行機が飛び立つ寸前で、ピキピキ地割れが始まり、あーあっぶなーい!みたいな紀元前な演出。
正直、観ていてこういう演出はもう流行らんよ〜っと思ってしまいました。
(これ2012でもみたよー)
挙句の果てに、見せ場の日本沈没シーンは日本地図のCGが出てきてチョロチョロ水にのまれていくだけ。
(全然誇張ではなく本当なんです)
いや、それでもいいんです。(お金ないのは知ってます)
でも、ドラマを通して、圧倒的に終末感がないんですよね。どうせ、助かるんやろ?
っていう感じが根底にあるので全然サスペンスを生まない。
初代ゴジラにあったような、みんな集まって最期に祈る、みたいな。
“タイタニック”で夫妻が船室で最期を遂げる、みたいな。
せめて、沈んでくシーンでは残ってた人達の断末魔シーンでもあれば、もっと惹きつけられたかも。(性格悪い?)
そもそも、移民計画時代がめっちゃスムーズにいくわけなんてなく、残る人に焦点を当てないところは、ご都合ですよね。
沈没!ってなったら、略奪とか暴動とか起こりまくるよ。
怪獣が現れたら!?を真正面から描いたシンゴジラのように、そういう現実的な路線のドラマを観てみたかったです。
まぁ、日本の地上波ドラマはスポンサーありきなので、製作陣もそこまで本気で描こうとは思ってないし、あの震災を連想させるような演出も難しいのだと思います。
でも、これじゃあ”イカゲーム”とか”地獄が呼んでいる”みたいなセンセーショナルな尖った作品には到底追いつけないよなぁ、と残念でもあります。
世界終末ものっていっぱいあると思うのですが、”どの時点の誰を切り取るのか”がセンス問われるとこですよね。
ネタなとこもありますが、やっぱり”アルマゲドン”は底抜けててもおもろいですよね。”ディープインパクト”もすきです。
“2012”は序盤のディザスターはせっかく良い感じなのに、後半の展開が適当というかしょぼすぎて残念でした。
以上、ちょっと脱線しましたが、日本沈没をリアタイ視聴!まだ、まとまってないですが、暫定レビューとしてあげさせていただきます。