ほーく

日本沈没ー希望のひとーのほーくのネタバレレビュー・内容・結末

日本沈没ー希望のひとー(2021年製作のドラマ)
1.0

このレビューはネタバレを含みます

とにかく、酷い。

原作は、かの名作。SF作家小松左京の「日本沈没」
これは、日本列島が沈没するという未曾有の大災害の中、国土を失い、全世界へ難民として散り散りとなる日本人のアイデンティティとは、という重大なテーマが肝のものだ。

ところが結局青森以北と九州の一部は残存し、国家機能は残った。アイデンティティの問題など棚上げだ。

次に、エンタメとして致命的な問題。
劣悪な脚本と演出。
具体的にいくつか挙げよう。
国家プロジェクトの全省庁横断的な組織、あんな若手キャリア官僚の一課長レベルでは構成されないし、そこに官房長官が常駐しない。
会議室の描写もリアルさに欠ける。普通、所属が分かる名札が机上にあるよ?
重大な情報をあんな外部で軽々しく話すか?しかも、超人的な隠し撮り。
「関東沈没」を大手新聞が朝刊1面トップで報道し、それに呼応して、テレビニュースで扱った演出。
胡散臭い週刊誌の一記者が編集長に没にされたネタを上位メディアである新聞朝刊1面で扱える訳なかろう。
避難する車で大渋滞する高速道路の映像、右側通行。
売りである沈没シーン。初回の無人島の沈没描写には爆笑した。しかも、リアルタイムでマスコミが映像を放送できるって、予知能力者?
調査潜水艇は、あんなに広くありません。
超人的な突貫工事で計画され、速攻で実施される首都避難。めちゃくちゃスムーズだな。
第四話で、やっと首都圏で地震があったけど、高層ビル崩壊したぞ。次週の予告見たけど、みんな結構無事なのね。

豪華な俳優陣。知名度だけで起用されているのだが、どいつもこいつもステレオタイプなキャラ設定で、棒演技と過剰演技。
メディアは、香川照之を絶賛する声を取り上げるが、やりすぎだとの批判も捨て置けない。

多大な制作費が投入されたようだが、どこに使用されたの?

なのに、視聴率は上々。一体どうなってんだ。エンタメを殺してるのは、我々視聴者なのかもしれない。
ほーく

ほーく