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日本沈没ー希望のひとーのmaroのレビュー・感想・評価

日本沈没ー希望のひとー(2021年製作のドラマ)
3.5
2021年秋ドラマで面白かった順位:1/1👑
 ストーリー:★★★★☆
キャラクター:★★★★★
    映像:★★★★☆
    音楽:★★★★☆

これまでの日曜劇場の中では一番スケールが大きかったんじゃないかな。
ハリウッドだったら、パニック映画でラストに涙する流れになりそうだけど、このドラマはそうじゃない。
日本沈没という前例のない自然災害に対して、天海(小栗旬)たちは何をするべきなのか、何ができるのかを描いたヒューマンドラマだった。

正直、前半はちょっと退屈な印象があった。
日本が沈没することはタイトルから明らかなのに、全然沈没しなくて。
しかも、ラスト5分ぐらいにならないと事件らしい事件も起きなかったからね。
田所博士(香川照之)の主張に誰も耳を傾けず、それを支持する天海にも白い目が向けられる中、「早く沈没して、ほら言わんこっちゃない!ってならないかなー」と待ってたぐらい。
これはもうハリウッド映画の同じようなシチュエーションが、ほとんどパニック映画になって、早々に人々が危機に陥ってるのに観慣れていたから、余計にそう思ったのかもしれない(笑)

実際に日本沈没がほぼ確定的となって、日本国民を海外に移住させることが決まってから面白くなってきた。
アメリカと中国との交渉が特に。
2つの大国と同時に話を進めて、アメリカが先走った報道をしたために中国が怒るとか、規模は違うけど、普段の仕事でもありそうな話に共感した人も少なくないのでは。
移民枠の獲得のために、日本の企業の移転や文化財を手放すなどの話は、世のビジネスマンも身近に感じられる一幕だったかもしれない。
もし本当にこのドラマのようなことがあったら、日本の持つIPやキャラクタービジネスの版権も交渉材料に使われる可能性あるなーなんて思ってたけど。

政府まわりのてんやわんやは、『シン・ゴジラ』(2017)における、全然動かない政府を彷彿とさせる部分もあったけど、このドラマは天海という熱意と行動力のある人物がいたおかげで、とても前向きに進んでいたように感じる。
それも、彼が言っていた「日本という国がなくなっても、"人"という財産は残る」という、すべては"人あってこそ"という主張が根底にあってこそ。

総じて、このドラマは日本には底力があるという応援メッセージのようにも受け取れた。
第二次世界大戦で負け、関東大震災、阪神・淡路大震災、東日本大震災と、過去にも大きな痛手を何度も負ってきたけれど、そのたびに力を合わせて復興してきた国だからこそ、きっとこれからもがんばれると。
まあ、最終回でいきなりウィルスの変異株の話が出て、割とすぐに特効薬が見つかってしまったのは、ちょっと都合よすぎる気もしたけど(笑)
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