抹茶マラカス

返校の抹茶マラカスのレビュー・感想・評価

返校(2020年製作のドラマ)
4.5
 ちょこちょこ映画と設定は違うが、それ以外は起きた出来事としては変わらず、その30年後を描いている。ファン・レイシンを家庭環境や教師との恋愛、という境遇としてリウ・ユンシアンという主人公を置く。更にウェイ・ジョンティンも存命でいつつ、その甥だったかな?をウェイのポジションに置く。あとはジャンル的には完全にホラーじゃなくなってるね。心霊要素はあるけど、怖いって感じはない。
 映画版と違って、被害の怖さ、読書会を裏切ったのは誰か?みたいなところはないので、代わりに教師との恋愛がバレて、という展開で映画の事件の加害側である校長と教官を軸に時間をつぶしにかかってくる。ジェームズ・ワンの透明人間を思い出す胸糞っぷりでユンシアンの自我を崩壊させると、後半はレイシンと入れ替わってしまい復讐に走る。復讐自体もある程度スカッとするが、ここで誰が裏切ってたかの明示された問題が再浮上して、密告社会での加害してしまった側の怖さと責任、というテーマが浮かび上がる。ラスト、国民党政権が交代したことを告げ、ユンシアンの幸せな生活に、台湾の未来を託す物語で大変よくできていた。