佐藤健×満島ひかりにNetflixオリジナルときたら期待せざるを得ないし、とても楽しみにしていた作品。
内容としてはオーソドックスな恋愛モノに記憶を重ね合わせ、時系列にアレンジを加えたタイプの物語。
正直1.2話の段階ではそこまでって感じだったけれど、進むに連れ良くなっていって最後は号泣必死。
女性への扱いが紳士な部分、それでいて少しぶっきらぼうなのに優しいところなど、佐藤健ははまり役。
カッコいいのは当たり前なんだけど、そこに彼独自のさり気ない味付けがあるから、そりゃ人気あるよね。
細かな気遣いのできる実直男はいつの時代も最強だ。
一方で初恋の相手、也英を演じた満島ひかりもこれまたピッタリ。
素の感じというか、過剰に演じていなくても成立させてしまうのは流石。
子供への接し方やナポリタンを食べるシーンを見ているとこちらまで笑顔にさせられてしまうし、纏った優しさが堪らない。
笑顔や所作がナチュラルで嫋やか、彼女は“人柄そのものが可愛い”と思える稀有な女優。
本作での彼女の表情は一生忘れられないレベルに可愛い。
また、個人的に目を奪われたのは夏帆。
いま『silent』でも話題だけど、彼女は運命の相手に選ばれない星のもとに生きているのだろうか…
いつもいつも可哀想すぎる。
でも、一歩引いた役どころを演じさせると抜群なんだよね。
欠かせない存在感と献身性でこの作品にも絶対必要な立ち位置。
Filmarksでお話する方の中にファンが多いのも頷ける。
つまり、総括すると絶対的なキャスティングの勝利。
彼ら自身が元々持っている人間性や資質をそのまま感じられるような役柄ばかり。
飾られていないありのままの魅力に優るものはなく、強く深く惹き込まれてしまった。
人として尊敬できる方々は役者としても当然素晴らしい。
シーン毎に切り取っても沁みるシーンが多く、回想での綴との別れのシーン、晴道が恒美に気持ちを告げるシーンは…
「ごめん、恒美じゃないです。ずっと忘れられない人がいる」
言い放つ自分すら切り刻むナイフのような言葉。
多分、同じシチュエーションなら自分には言えないな。
北海道の透明感滲む雪景色との相乗効果がいつまでも心を潤してくれるラブストーリー。
ラストシーンも完璧過ぎた。
ロケーション、街並み、光のバランス。そして、何よりも二人の表情。
恋愛ドラマの一つの完成形とも表現できる、美しく尊い作品だった。
雰囲気が似ていたのは菅田将暉×小松菜奈の『糸』や道枝駿佑×福本莉子の『今夜世界からこの恋が消えても』
なので、それらの作品が好きな人にはガッチリハマるはず。
宇多田ヒカルの『First Love』を聴いていると学生時代によくカラオケで歌われていたSPEEDの『White Love』や安室奈美恵の『CAN YOU CELEBRATE?』等も思い出す、名曲に育まれた時代に思いを馳せつつ久々の一気見。
p.s
あのナポリタンはズルい。
間違いなく至高の一品、深夜に見てしまった後悔が拭えない。
時しらずなんか、もう食の暴力…
