sea

First Love 初恋のseaのネタバレレビュー・内容・結末

First Love 初恋(2022年製作のドラマ)
4.3

このレビューはネタバレを含みます

なんって最高のドラマなんだ……こんな王道の、ピュアな恋愛からドラマにありがちなとんでも展開まで、何もかもわかっているはずなのに、どうしても最高で、泣けてしまった。

過去と現代と色々な人の生活がずっと交錯して描かれていて、宇多田ヒカルが流れるタイミングも完璧で、映像も曲もキャストも構成も全てが最高だった。とにかく満島ひかり。満島ひかりだ〜。綺麗で儚くて、飾らない姿が本当に美しい。木戸大聖くんの笑顔が人懐っこくて本当に可愛いし、八木莉可子ちゃんも本当に美人さん。二人の高校時代がキラキラしていて、素敵だった。この三人じゃなかったらここまで評価は高くならなかった。

晴道の家族の赤、也英の家族の家や服の水色がとても印象的だった。旺太郎の「逃げるな!野口也英!前を向け!息を吸って前進しろ!傷付いたって、みっともなくたって、人生は飛び込まなくっちゃ!」でボロボロ。晴道の一途な思いを知れば知るほど、也英の記憶がなくなってしまったことが悲しくなる。送っていたはずの開封されていない手紙を渡されて「お腹に赤ちゃんがいる」と聞いたときの表情、辛い。

久し振りに会った彼女のキラキラ大学生感についていけなくて上手くいかない展開とか、感じの悪い嫌な知り合いとか、お金持ちの家に嫁いで姑との関係に苦労するとか、ありきたりな展開なんだけどキャストの演技が良すぎて胸が痛くなった…こんな王道の展開が自分に刺さることに驚いた。

私にとっての初恋はこんなに綺麗じゃないしまた巡り合いたいとも思わないんだけど、一つの物語として、純粋にいいなと思った。井浦新が出てきて嬉しくなっちゃったけど普通にひどい男だ。でもあの父が他所で女作って家を出て行っていなかったら、もしかしたら也英はあの公立高校に通っていなかったかもしれず、そうなると晴道にも出会えていなかったわけで。小泉今日子演じる母が晴道の手紙を隠していなかったら、もしかしたら綴も生まれていなかったかもしれない。観終わったあとだとすべてが起こるべくして起こった気がしてしまう。

恒美、強すぎる。私は別れ際絶対にあんなに気丈に振る舞えない。同じ女性として尊敬する。でも名前の話はくどすぎ。とってもナポリタンが食べたくなったし、後日色々と思い出して沢山追記しそう。

辛い過去も、全て最後晴道と結ばれるための運命だったんだ〜とかクサいことを思ってしまった。最終話直前でなんで晴道海外行っちゃうの?!と思ったので、八話の也英が忘れていた記憶を思い出すところが個人的に最高潮だった。上手くいきすぎだけど、それでも二人の夢が叶って、二人で一緒にいられている現在に満足しすぎて、二人が幸せなら良いです、という気持ちになった。ハア、良すぎて語彙力が喪失してる。これだけ思える人に出会えるって、幸せなことだな。

あとはメモ。

・「この世の地獄です 間違いだとわかってて進み続けるのは」
・「タバコの味」「フレーバーと言いなさい」
・彼は誰時:明け方 人の顔の区別がつきにくい時
・分別があると恋は死ぬ
・動かないものに力を加えるのが夢だったり好奇心だったり愛する人の存在
・いつかくるその日に、また会いたい人は誰か
・晴道が優雨にも優雨の娘にもやっていた、膨らんだほっぺたを手で押す、愛らしい仕草。
・高校時代の「好きな食べ物を聞くってことは君のことが好きってことだ」「並木くんは?好きな食べ物なんですか!」「ナポリタン」というやりとりを思い出す、再会した也英が何気なく言った「好きな食べ物はなんですか?」
・遠く離れたところにいる也英がコインランドリーでパンツ泥棒に遭う過去があったから、再会した今度こそは守るためにコインランドリーに向かう晴道
・飛行機を見つめる也英の「かっこいい…」という一言でハートを射抜かれる演出
・綴へのプレゼント選びと父からのプレゼントと親権者変更の書類を書くときに出てくる万年筆
・八英が働いていた工場で作っていた軽食が、晴道の乗っていた飛行機で出るところ
・大学で友達に返してもらったCDに入っていなかったfirst loveを、何十年もあとになって晴道から綴が貰ったプレーヤーで聴くところ
ここで思い出すってわかっていたのに、first loveが流れた瞬間ボロボロ
sea

sea